子供の喘息~症状・原因・対処法~

2017/6/15

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

風邪をひいているわけでもないのにお子さんが咳をしていたり、苦しそうに呼吸をしていたり…そんな症状が見られる場合、考えられる疾患のひとつが「喘息」です。

今回の記事では、子供の喘息の全般的な知識についてお伝えしていきます!

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子供の喘息の症状

お子さんに以下のような症状が見られた場合、喘息(気管支喘息)の可能性があります。気づき次第、早めに病院に連れて行ってください。

・風邪の症状がないのに咳をしている
・呼吸するとゼーゼーという音がする
・異常な呼吸が見られる(苦しそう、呼吸が速い)
・異常に疲れている
・唇が青い

発作は突然発生したり、時間の経過とともに激しくなったりすることがあります。

子供の喘息の原因は?

子供の喘息の原因として、考えられるものとしては以下があります。

・ダニ
日本の小児喘息の大半(70~90%)は、ダニが原因です。

出典:厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-07.pdf

・遺伝
喘息は多くの場合、遺伝が関係していると考えられています。両親のどちらかが喘息だと、子供も喘息になる可能性が高いです。家族にアレルギー持ちの人がいる場合も、子供が喘息になりやすいといわれています。

・肥満

・タバコの煙(出生前や出産後)

・低出生体重

喘息の発作を引き起こすもの

喘息の発作は、特定の要因が引き金となって起きるものです。その特定の要因の主な例は以下になります。

・アレルゲン(ダニ、カビ、花粉など)
・ペットのフケ
・タバコの煙
・香水
・冷たい空気や天候の変化
・運動
・風邪やインフルエンザ

子供が喘息になったら…

子供が喘息かもしれないと思ったら、やるべきことは何でしょうか。

発作を引き起こす要因を把握し、取り除く

子供が喘息かもしれないと思ったら、まずは病院を受診してアレルギー検査をしてもらいましょう。アレルギー反応が出たものがあれば、それを家や子供の周りから排除してください。ほこりやカビが原因なら、部屋からカーペットやぬいぐるみを取り除きましょう。あるいはダニやペットのフケが原因であれば、低アレルギー性のマットレスや枕に変えるのも手です。

また、アレルギー検査の結果が全てとは限りません。「タバコの煙を吸うと決まって咳が出る」「走るとゼーゼー言う」など、どんなときに喘息の発作が起きるのかを保護者の方自身が見極めることも重要です。

薬を処方してもらう

病院を受診し、喘息の薬を処方してもらいましょう。基本的には下記の3種類の薬で治療されます。

・気管支拡張薬(サルタノールなど)
症状を収束させ、空気の通り道を広げる作用を持つ薬です。副作用としては動悸や嘔気などがあります。

・吸入ステロイド薬

・日常的に服用することで喘息をコントロールする長期服用型の薬
発作が起きたときはまず即効性のある気管支拡張薬を使用します。また、気管支拡張薬だけでは発作が落ち着かない場合は、追加で副腎皮質ステロイド剤が処方されることがあります。また、子供がまだ小さい(赤ちゃんや幼児)場合は、ネブライザー(喘息用の呼吸器)による治療が行われることもあります。

定期診察を受ける

頻繁に診察の予約をとりましょう。喘息は発作を起こすことで徐々に空気の通り道が傷つき、悪化していきます。発作を起こさないですむように積極的に治療するのが大切です。副作用や合併症を最低限にとどめるためにも、3~4ヵ月に1回は専門医のもとで定期診察を受けてください。

おわりに:発作の原因や対処法を子供のうちから把握しよう

子供の喘息のほとんどは、大人になってからも付き合い続けなければならないものですが、だからこそ発作が起きる条件や対策などを子供のうちから知っておく必要があります。ご紹介したような症状がお子さんに見られたら、まずは病院に連れていきましょう。

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