膀胱炎の症状をチェック!~膀胱炎ってどんな病気?

2017/5/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

トイレにいったばかりでまたスグに行きたくなる、トイレが我慢できない、排尿時に痛みがある……。そんなつらい膀胱炎、女性はとても多くの人が経験しています。

医師の治療を受ければほぼ治るものなので、症状をチェックして、早めの受診をオススメします。ここでは、膀胱炎についてまとめてあるので、参考にしましょう。

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膀胱炎(尿路感染症で膀胱に炎症のある状態)について

最も一般的な尿路感染症は膀胱炎(膀胱に炎症を起こしている)です。

尿路では、尿が作られ、溜められ、体外に排出されます。尿路は、以下の臓器で構成されています。
・腎臓:血液から老廃物を集め、尿を作る
・尿管:腎臓から膀胱に尿を運ぶ
・膀胱:いっぱいになるまで尿を溜めておくことができる
・尿道:排尿するときに尿を体外に排出するための短い管

膀胱炎を治療しないでおくと腎臓に悪影響を与えてしまいます。

膀胱炎の治療は?

膀胱炎は感染症であり、抗生物質の投与で治療します。医師は、患者が尿路感染症であるかどうか診察し、どのような抗生物質が必要かを診断します。

膀胱炎の原因は?

尿路感染症は、尿路にバクテリアが入り込んで感染することで発病します。

体は、何の問題もなく、バクテリアと戦うことができますが、時には腎臓まで感染が広がることもあります。

これは腎盂腎炎として知られていて、あまり起こることはありませんが、起こった場合は深刻な状態になる可能性があります。

通常、お尻の方(肛門、直腸)から原因微生物が尿道を通って膀胱まで入り込んだときに膀胱炎になります。

膀胱炎のリスクは?

膀胱炎になるリスクが高い人たちがいます。女性は男性よりもかかりやすいですが、これは女性の尿道が短く、肛門にも近いため、尿路にバクテリアが入り込みやすいためです。

また、以下のような要因があれば、膀胱炎のリスクが高まります。
・尿路感染症に罹ったことがある場合
・セックス(特に、新しいセックスパートナーができた場合)
・閉経や殺精子剤により、膣内細菌叢や酸性度が変化した場合
・妊娠
・年齢(年齢が高いほど尿路感染症になりやすい)
・体を動かさない場合(例えば、手術後や長期間の入院など)
・尿失禁か尿路カテーテルを入れた場合
・腎臓結石
・前立腺肥大

小さい子供の膀胱炎は?

小さい子供の場合は、尿路の構造的な問題により、頻繁に尿路感染症になる場合があります。子供が尿路感染症になる原因としては、トイレになかなか行かなかったり、排便後にお尻を後ろから前に拭いていることがあります。女の子の場合は、後ろから前に拭くと尿路に細菌が入る原因となります。

膀胱炎の兆候と症状をチェック?

膀胱炎の一般的な症状には次のようなものがあります。症状をチェックして膀胱炎かどうか判断しましょう。
・排尿時に痛みや燃えるような感覚がある
・頻尿
・膀胱が空であっても尿意がある
・熱が出る(38度前後)
・尿の色が濁っていたり、血尿である
・脚の付け根や下腹部に圧迫感や筋けいれんがある

膀胱炎で医師の診察を受ける場合は?

上記の膀胱炎の症状が出た場合、医師の診察を受けてください。

膀胱炎診断と治療は?

症状の問診、健康診断、尿検査などを行い、尿路感染症かどうかを医師が判断します。

ほとんどの尿路感染症は細菌が原因で、抗菌薬で治療ができます。しかし、細菌は抗菌薬に耐性を持つようになってきているため、抗菌薬に抵抗性を持つ細菌により感染が起きている場合は、一般的な抗菌薬は効かないことがあります。

抗菌薬を飲むたびに、体内に通常生息しているバクテリアは耐性を持つようになっていきます。これは膀胱炎を何度も繰り返す人には深刻な問題となっていることです。

時々、膀胱炎は性感染症などの他の病気によって、ひき起こされることがあります。また、感染症を起こさなくても、細菌は尿内に現れることがあります。これは無症候性細菌尿として知られています。もし症状が他の病気によって起こされている場合は、別の治療が必要なこともあります。

膀胱炎の症状を緩和させるには?

抗菌薬を処方された場合、処方されたとおりに薬を服用し、医師がもう大丈夫であると診断するときまで、抗菌薬をやめないようにしましょう。体内から細菌が出やすいように、たくさん水分を摂りましょう。

おわりに:膀胱炎の症状をチェックしてひどくならないうちに防ぐ

膀胱炎は比較的良く耳にする病気ですが、なってしまった場合、あまり表立って言えないかもしれません。女性というだけでそのリスクは高いので、周囲の女性もなっている可能性はあります。

症状をチェックして、ひどくならないうちに医師の診察を受け、薬を服用しましょう。

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