飲みすぎな人のリスクと減酒のメリット

2017/3/1 記事改定日: 2017/9/9
記事改定回数:1回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

お酒を飲むのは楽しくて、ついついたくさん飲んでしまいますよね?
でも、泥酔して財布をなくしたり、前の日の記憶がない、知らない場所で寝ていたといった逸話は頻繁に耳にします。
それだけ、皆さんお酒が好きなんだと思いますが、お酒に酔って取り返しのつかないことになってしまうことも少なくないと思います。
そうならないためにも、アルコールのリスクを知っておきましょう。

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飲みすぎとは?

飲みすぎとは、短時間で大量のアルコールを飲むか、酔っ払うために飲むことを指します。
しかし、アルコール耐性は人によって違うことと、一度に飲むスピードによってアルコールが及ぼす影響も変わるため、飲みすぎという言葉は正確に定義することができません。
ですが、一度に大量に、それも短時間で飲んでしまうと、次のようなリスクがあります。

・事故にあってケガをする。場合によっては死につながる
・危険な状況で誤った判断をする
・みさかいがなくなって無防備なセックスをしてしまう

飲みすぎリスクを軽減する方法

飲み過ぎによる健康リスクを軽減するために、以下を試してみてください。

・一度に飲む量に上限を設ける
・もっとゆっくり飲む
・食事をしながら飲む
・水またはノンアルコール飲料と交互に飲む
・あらかじめ危険を避けるために計画しておく(たとえば、無事に帰宅できるようにしたり、信頼できる人と一緒にいるようにするといった方法があります)

外出中、旅先、もしくは慣れない状況で飲んでいる場合は、スマートフォンアプリなどを使って、飲んだ酒量を把握しておくことがとても重要です。ひどいときは、ほかの人から危険な目にあわされたり、友人の助けを借りることができない状況になってしまうかもしれません。
無意識で自分の行動や言動をコントロールできなくなりますし、自分が無敵だと思って、危険な判断をしてしまうこともありえます。

アルコールが人間に与える影響

標準的な白ワイン(175ml)とビール(500ml)はどちらもアルコール1単位に相当し、アルコール摂取量としては同等(20g)です。人によってお酒の強さは様々ですが、アルコール摂取量が増えるにつれて心と体に与える影響が変わっていきます。

お酒に弱めなAさんの場合、このような変化があらわれます。

1. アルコール1単位:白ワイン1杯、またはビール1杯
・おしゃべりで、リラックスした気分になっている
・自信に満ち溢れる
・運転能力はすでに落ちているので、運転するならアルコールを飲まないでください。

2. アルコール2単位:白ワイン2杯、またはビール2杯
・血流量が増える
・抑制が効かなくなり、注意力散漫になる
・脱水症状がはじまる(二日酔いの原因の一つ)

3. アルコール3単位:白ワイン3杯、またはビール3杯
・反応が遅くなる
・アルコール分解のために肝臓の動きが活発になる
・セックスしたくなる気持ちが強くなる一方、判断力が落ちてくる

4. アルコール4単位:白ワイン4杯、またはビール4杯
・混乱しやすくなる
・明らかに感情的になる
・セックスしたいと思う気持ちはおさまり、能力が低下してくる

女性や若者、小柄な人の中には、少量のアルコールを飲んだだけでもこうした効果が現れてしまうことがあるので注意してしてください。

もし、アルコールの影響をまったく気にせず、いつも飲みすぎてしまうようだったら、健康面の問題を抱えている可能性があります。そのような場合は、飲酒量を減らすか、病院で治療をうける必要があるかどうかを検討するようにしてください。

健康のためのお酒の飲み方

ほぼ毎日飲酒している人の場合、アルコールのリスクから体を守るために、以下のようなことを心がけてください。

・男女とも、週に14単位※以上定期的に飲酒しないようにする
・週に14単位以上定期的に飲酒しているなら、3日以上空けて飲む
・飲酒量を減らしたい場合は、週に数日禁酒する日を作る
※14単位は平均的なアルコール度数のビール6杯(約3リットル)または度数低めのワインを小さなグラス10杯分に相当します。

飲む量を減らすと得られるメリット

飲むお酒の量を減らすと、以下のような効果がすぐにあらわれてきます。

・朝、気分が良い
・日中疲れにくい
・肌つやがよくなる
・健康になってくる
・体重が減ってくる

また、長い目でみてみると次のようなメリットがあらわれてきます。

・気分
大量の飲酒とうつ病との間には強いつながりがあり、二日酔いで不安になったり落ち込んだりすることもたびたび起こります。もしすでに不安や悲しみを感じているなら、飲酒はこれを悪化させる可能性があるので、酒量を控えることで少しずつ気分がよくなってくると思います。

・睡眠
飲酒は睡眠に影響します。すぐに眠くなって寝る人もいますが、睡眠パターンを乱し、深く眠れないことがあります。だから、アルコールを減らすと、目覚めたときに体の疲れがしっかりとれていると感じることができるわけです。

・行動
飲酒は判断力と行動力に影響を及ぼします。酔っているとき、無意味にまたは攻撃的に行動することがあるかもしれません。記憶喪失は、飲酒中や長期にわたって大量に酒を飲む人にとって問題となるものです。

・心臓
長期にわたる飲酒は、心臓肥大になる可能性があります。肥大した心臓は完全に元に戻すことができない深刻な状態ですが、禁酒すればさらに悪化するのを防ぐことができます。

・免疫系
通常の飲酒でも、免疫システムに影響を与えることがあります。このため、飲酒量が多い人はより多くの感染症にかかる可能性が高まります。

おわりに : お酒は楽しく節度をもって!

お酒の飲んだときの危険性を知っておけば、飲みすぎることも自然と減ってくるかもしれません。楽しむためのお酒なのに、幸せや健康を失ってしまってはどうしようもありませんね。
健康的にお酒を楽しみましょう!

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