中村獅童さんが肺がんに。喫煙者でなくても注意!肺腺がんについて知ろう

2017/5/19

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

先日、歌舞伎俳優・中村獅童さんが肺がんに罹患したとのニュースが飛び込んできました。
獅童さんは喫煙者ではないようです。
喫煙者でない若い方にも罹患し得る肺がんの一種:肺腺がん。
一体どのような病気なのでしょうか?産業医科大学医師・佐藤典宏先生に話を伺ってみました!

「肺がん」と「肺腺がん」の違い

−今回、中村獅童さんは「肺腺がん」と診断されました。この「肺腺がん」。「肺がん」とは何が異なるのでしょうか。

肺がんの中には、4つの組織型があります。扁平上皮がん、腺がん(せんがん)、大細胞がん、小細胞がんです。このうちの一つが腺がんというタイプで、それぞれ悪性度が異なります。
小細胞がんは転移の可能性が高く、非小細胞肺がん(肺腺がん等)に比べると悪性度は高めです。

禁煙者の罹患リスク

−中村獅童さんは普段タバコを吸っていないようですが、獅童さんのように比較的若年で、タバコを吸っていない方でも肺線がんに罹患するケースは多いのでしょうか?

喫煙していない人で肺がんになる場合は、大体腺がん。典型的なタバコを吸う人(ヘビースモーカー)に見られるがんは扁平上皮がんです。肺がんの一種とはいえ、肺腺がんのように、全ての肺がんが喫煙を主因とするものではないのです。
また、最近はタバコを吸わない女性の中にも、比較的若くて腺がんになる人がいますが、肺がん自体が増加傾向にあるのが現状です。

「肺腺がん」の早期発見と初期症状


−中村獅童さんは人間ドッグにより、がんを早期発見できたようですが、
早期発見した場合の一般的な完治の可能性はどのくらいなのでしょうか?

早期発見した場合、手術で根治する可能性が高いですが、5年間は再発のリスクが高いため、術後しばらくは経過を観察したり、抗がん剤の追加治療を行うことがほとんどです。
なお、通常の人間ドッグではCT検査を含まないケースがほとんどです。人間ドッグでX線のレントゲン写真を撮り、そのレントゲン検査で異常があればCTをとる場合があります。しかし、がんに特化した検診(がん検診)にはCTが用いられることがあるので、気になる方はがん検診の積極的な受診をオススメします。

−肺腺がん特有の初期症状はありますか?

特有の症状はあまりありません。
肺線がんだけでなく、肺がんも特に初期症状は見られません。これが肺がんの特徴ともいえます。進行すると咳が出たり血痰(痰に血が混じる)が見られますが、これらの症状が見られた場合は、かなり進行していると思って良いです。

おわりに:気になる方は早めの診断を!

獅童さんの場合、人間ドッグによる早期発見ができたため、日常生活を送る分には身体への支障は来していないであろうとのことですが、”自分は大丈夫。がんに罹っている兆候がない。”とお考えの方も、がんの存在に気付いていないケースがあります。
定期的な人間ドッグ・がん診断を含む健康診断が、がんの早期発見を握る鍵となることは間違いないでしょう。

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