記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/7/6
記事監修医師
前田 裕斗 先生
激しい下痢や嘔吐、腹痛などを引き起こす「食中毒」。
初夏に入った頃から、「食中毒を予防しよう!」なんてフレーズをよく耳にするでしょうが、食中毒を予防するには、そもそもの感染原因をしっかり把握しておくことが重要です。
そんな食中毒の原因について、今回から2回にわたって徹底解説していきます!
食中毒が引き起こされるのは、「バクテリア」「ウイルス」「寄生虫」などがそもそもの原因です。それぞれの詳細については、以下で解説していきます。
バクテリアは、胃腸管の感染原因となる微生物のことです(全てのバクテリアが人体に有害なわけではありません)。有害なバクテリアは、食べ物を購入したときにすでに存在しています。肉、鶏肉、魚、貝類、卵、殺菌していない牛乳、乳製品、生鮮食品には食中毒を起こすバクテリアがすでに含まれていることがあるのです。
食中毒の原因となるバクテリアには、以下のようにさまざまな種類があります。
サルモネラ菌は、生肉や十分に調理されていない肉、卵、乳製品、魚介類などさまざまな食べ物に生息していることがあります。
生の鶏肉や殺菌していない牛乳に生息していることがあります。
汚染された水に接触した食べ物や、感染者の便に存在することがあります。
大腸菌もバクテリアの一種で、食中毒の原因菌としては、日本でも有名な「大腸菌O-157(H7)」や「リステリア菌」が挙げられます。O-157は生肉や加熱処理が不十分な肉・生鮮食品、殺菌されていないフルーツジュースや牛乳などに、リステリア菌は冷凍食品、パック詰めされたサンドイッチ、調理済みのハムやパテ、ソフトチーズなどの調理済み食品などにそれぞれ生息している可能性があります。
バクテリアの一種で、魚や貝類に生息していることがあります。
ボツリヌス菌は、調理が不十分なまま詰められた缶詰や燻製魚、塩漬けの魚などに生息していることがあります。
ウイルスはバクテリアよりも小さく、カプセルのような形をしています。食中毒の原因となる主なウイルスには、ノロウイルスやA型肝炎ウイルスがあります。特に日本で有名なノロウイルスは、牡蠣のような生の貝類に生息していることがあります。
寄生虫は別の生物の中で生きている小さな生物です。食中毒の原因となりうる寄生虫の例として、「クリプトスポリジウム・パルバム」と「ランブル鞭毛虫」があります。これらは感染者や動物の便で汚染された水から広がる寄生虫で、汚染された水に接触した食べ物にも感染し、生息することがあります。生や生焼けの豚肉には特に注意が必要です。
食中毒を引き起こすその他の原因としては、下記のものがあります。
有害な化学物質で汚染された海や川で育った魚介類は、食中毒を引き起こす高濃度の毒を蓄積していることがあります。また、高い濃度の殺虫剤を含む果物や野菜が原因で食中毒になるケースも存在します。
野生キノコの中には、毒を持つ種類のものもあります。
食中毒を引き起こす原因となるバクテリアやウイルスなどには、ご紹介してきたとおり、さまざまな種類があります。食中毒を予防するためには、まずは原因菌が生息しやすい食べ物をきちんと理解しておくことが重要ですよ。次回は、これらの原因菌が人に感染するまでのルートを解説していきます!
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食中毒の原因や感染ルートを徹底解説!②