記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/5/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
暑さの厳しい日本では、毎年初夏を迎えた頃から熱中症患者が続出します。前回の記事に続いて、熱中症予防についてみていきましょう。
熱中症のリスクの高い人は以下のとおりです。なお、水分が十分に摂れていなかったり、室内の換気が不十分だったり、窮屈な衣服を着たりしている場合は、さらに発症リスクが高まります。
赤ちゃんや小さな子供は高温の影響を受けやすいため、周囲の大人が環境を整えたり、十分な水分をとらせたりする必要があります。特に高齢者は体が熱を効率的に処理することができず、温度の変化を感知したり、変化に反応しにくい傾向があります。
肥満傾向にある人は熱を体内に保ちやすいため、熱中症になりやすい傾向にあります。
仕事や運動で無理しすぎた人は、脱水を引き起こし、熱中症になりやすい傾向があります。アスリートや肉体労働者など、長時間激しい運動をする人は要注意です。
身体疾患、特に心臓病や高血圧を患っている人、利尿薬、抗ヒスタミン薬、抗精神病薬などの特定の薬を服用している人は、熱中症になりやすいといわれています。とくに、胃腸炎などですでに脱水症状に陥っている人は要注意です。
リスクの高い人が熱中症を予防するには、以下のことを心がけてください。
初夏の熱波のような、急激な温度変化が体に及ぼす影響に注意しましょう。暑さに慣れるまで身体活動を制限すれば、体は熱に対してより大きな耐性を持つことになります。暑い地域へ旅行する場合は、数日かけて体を順応させてから本格的に活動するようにしましょう。
車中では温度が急上昇しやすいです。窓が開いている場合でも、室内温度は最初の10分間で20℃近く上昇する可能性があります。駐車中の車に放置されている子供は、熱中症を発症したり死亡したりする可能性が高いので、絶対に置き去りにしないでください。
熱い食べ物や消化に良くない食事は避けてください。体に熱が加わってしまいます。そして水分をたくさん摂り、塩とミネラルを摂取してください。
暑い時間に出かける場合は、日傘をさしたり帽子をかぶったりしてください。また、軽くてゆったりした服を着用するようにしましょう。
体を冷やすのも、有効な熱中症対策です。冷たい飲み物を飲んだり、冷たいシャワーを浴びたり、首の後ろに濡れタオルをあてたりすることでも体の熱を発散させることができます。
排尿の頻度が少なかったり、濃い色の尿が見られたりするようであれば、水分不足のサインです。もっと水分を摂取しましょう。
部屋にいても熱中症は起きることがあります。日差しがあたる窓やカーテンは日中は閉め、適宜エアコンをつけましょう。
熱中症は真夏だけではなく、初夏にも起きることがあります。ご紹介した予防法を実践し、熱中症の危険から、子供や高齢者のご家族を守っていきましょう。