記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
「ニキビってどうすれば治るの?!」
多くのニキビに悩む方はこう思っているはず…
近年は、ネットなどでニキビ治療についての様々な情報が流れていますが、本当に正しいニキビ治療の情報は何でしょうか。
今回の記事では、ニキビの治療法、具体的には自分で治療する場合と病院で治療する場合それぞれのメリットとデメリット、そしてニキビの治療薬にはどんなものがあるのかについての正しい情報を分かりやすく解説します。
そもそもニキビ治療のために病院には行くべきなのでしょうか。自宅でセルフケアをする場合と病院で治療する場合のそれぞれの方法とメリット、デメリットを解説します。
セルフケアでニキビを治療する場合の方法は、一日に何回も洗顔しない、低刺激の石鹸や洗顔フォームを使う、化粧品の使用を抑える、ニキビを潰さないようにするなどです。メリットは副作用が比較的少ないことで、デメリットはセルフケアだけでは効果が少ない可能性があることです。
ニキビが広範囲でできている場合は、病院を受診しましょう。丘疹や膿疱がたくさんできていたり、市販の薬が効かなかった場合は処方薬での治療が必要となる場合があるので、病院での治療を検討した方が良いでしょう。また、丘疹や膿疱が顔の他に、胸や背中にも広範囲に渡ってたくさんできていたり、痛みを伴うなどの重症の場合、一般医ではなく皮膚科での治療を勧められる場合があります。この場合、一般的に錠剤の抗生物質と塗り薬を併用した治療が最初に行われます。デメリットとしては、病院でのニキビ治療の多くは効果が出るまでに時間がかかることです。すぐに効果が出なくても辛抱強く待ち病院で推奨された治療を続けていくことが大切です。
ニキビ治療薬には様々な種類があります。以下が具体的な治療薬についての詳細です。
飲み薬としては、錠剤の抗生物質があります。これは通常、重症のニキビの治療の際に、塗り薬と併用で用いられます。ほとんどの場合、テトラサイクリン系抗生物質と呼ばれる抗生物質が処方されますが、妊娠中または授乳中の方は服用できません。そのため、妊娠中または授乳中の方は、エリスロマイシンという、より安全な抗生物質を服用することすることが勧められます。軽度のニキビから重度のニキビまで、様々なニキビ治療に効果的であるという点がメリットで、デメリットは、避妊ピルの効き目を弱めてしまうため別の避妊の手段を考える必要があること、抗生物質耐性ができてしまうため長くても6ヶ月しか使用できないこと、皮膚が太陽の光に敏感になったり、めまい、嘔吐、下痢、軽い腹痛を起こす可能性があることなどです。
塗り薬としてはまず、 こう薬レチノイドがあります。こう薬レチノイドは、肌の角質を肌の表面から取り除き、角質が詰まるのを防ぐ働きがあります。ジェルタイプとクリームタイプがあり、通常一日に1回、夜寝る前にニキビができている箇所に塗布します。黒ニキビや白ニキビに効果的に作用するなどのメリットがあり、デメリットは、出生異常のリスクがあるため妊娠中は使用できないこと、皮膚が敏感になるため太陽の光をたくさん浴びると肌が刺激されて少しチクチクするといった副作用が出る可能性があることなどです。
さらに、塗るタイプの抗生物質があります。この薬は、詰まった毛包を感染させる恐れのある細菌を殺す働きをします。ローションやジェルタイプが一般的で、一日に1~2回塗布します。メリットは、細菌の感染で炎症を起こしている箇所を治療するのに有効な点、他の抗アクネ菌クリームやジェルと比べると肌への刺激が少ない点などです。一方、デメリットは、黒ニキビや白ニキビの治療には高い効果が出ない可能性がある点、抗生物質耐性ができてしまうため長くても2ヶ月ほどしか使用できない点などです。また、副作用は通常あまり出ませんが、皮膚が軽い刺激を受け、赤くなり熱を持ったり、皮膚が剥けたりするなどの副作用がでるケースもあります。
いかがでしょうか。
ニキビの治療は自宅でも病院でも、塗り薬でも飲み薬でもできますが、それぞれ利点と欠点があります。自分に合った方法を見つけ、適切な治療をしましょう。