記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/14
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
何日も何日も続く便秘は本当につらいもの。
お腹が張りまくって、出ないのも一苦労、
あまりの硬さに、やっと出るときも一苦労。
経験した人なら実感のあのツラさ。体にも心にも負担大です。
さらに、一見なんの関係なさそうな症状も、実は便秘が引き金になっているいることも。
便秘の恐ろしさは、さまざまな形で現れます。
ここでは、そんな便秘の解消にも役立つ「お腹にやさしい食生活」について話していきます。
肌がきれいな秘訣を聞かれて、「胃腸の健康に気を配っている」と言う人がいます。だけど、具体的にはどうすればいいんでしょうか?
食物繊維が豊富な食べ物は消化に役立ち、便秘を予防してくれます。1日30g以上の食物繊維の摂取を目指してください。
「一種類から多く」ではなく、以下のような食品から「多種類から少量ずつ」摂取する必要があります。
・全粒パン
・玄米
・果物と野菜
・豆
・オーツ麦
穀物によって鼓腸症や過敏性腸症候群が起きる人もいるので、その場合は、果物・野菜から食物繊維を摂取してください。
食物繊維は水を吸収するスポンジのような働きをするため、水分がなければ機能せず、便秘に効果はありません。
そのため、たくさんの水を飲むことが大切です。老廃物の消化器系の通過を促進し、便を柔らかくしてくれます。 食事ごとに1杯の水を飲むと、効果的に水分を摂取できます。
プロバイオティクスは、腸内に存在する「善玉菌」で、過敏性腸症候群や下痢を含め、消化器系を健康に保ちます。
プロバイオティクスはサプリメントやヨーグルトから摂取できます。4週間、毎日摂取することで多大な効果があがります。
ハンバーグ、揚げ物、インスタントラーメン、スナック菓子など脂肪の多い食品は、消化しにくく、胃に大きな負担をかけて胸やけや胃痛を引き起こします。赤身の肉や魚を食べたり、スキムミルクを飲んだり、脂肪分はできるだけ減らしてください。
辛い物が大好きな人で、辛い物を食べても胃腸のトラブルは起こらない人がいる一方で、辛い食べ物を食べて、お腹の調子が悪くなる人もいます。
唐辛子だけでなく、にんにくやタマネギ、ねぎのような「辛味」もトラブルを引き起こすことがあります。
辛い物を食べて、胸やけや胃痛、下痢になった場合は、辛い物は控えるのが得策です。胸やけや腸管過敏症のような問題が元々ある場合は、極力食べないようにしてください。
トマト、柑橘類、サラダドレッシング、炭酸飲料などの酸性食品は胸やけを引き起こし、小麦やタマネギは過敏性腸症候群を引き起こすことがあります。ラクトース(牛乳中の糖分)が消化できなければ、牛乳やチーズ、ヨーグルト、といった乳製品を食べた後に、ガスが発生したり下痢を発症したりします。
消化器の調子が悪くなる食べ物や飲み物は避けるようにしてください。食べ物の日記をつけることで、何が異常を引き起こすかわかります。
コーヒー、コーラなどに含まれるカフェインは、胃の中の酸を増やし、胸やけを引き起こします。また、炭酸飲料は、お腹を膨らませます。 消化器系に負担をかけたくないなら、できるだけ、ハーブティー、牛乳、水など、カフェインを含まない飲み物を選んでください。
胃腸を快調に保つには、普段の食生活がとても大事です。もちろん、これは便秘の解消にも同様です。
「お腹にやさしい食生活」を心がけて、便秘体質を少しずつ改善していきましょう。