突然の嘔吐は感染症の危険も!ロタウイルスによる嘔吐

2017/5/8

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

毎年、秋から冬にかけてノロウイルス感染症、冬から春にかけてロタウイルス感染症が流行します。
どちらも有害なウイルスによる急性胃腸炎で、人体にとって有害なウイルスなため、嘔吐や下痢で排除しようとします。
ノロ・ロタウイルスともに抗生物質が効かないため、嘔吐や下痢が体を守る防御反応になります。

ノロウイルスとロタウイルスの違い

ふたつのウイルスどちらも感染性胃腸炎の原因で、いずれも腹痛、嘔吐、下痢、発熱などを引き起こします。
流行のシーズンを初めとして、特徴には異なる部分があります。

・ノロウイルス感染症
ノロは全年齢で罹患し、患者数も多く、集団感染もあります。主な症状は、吐き気・嘔吐・下痢で、軽い発熱を伴うこともあります。症状は、ロタよりも軽度で、高齢者などを除き重症化することはまれです。

・ロタウイルス感染症
主に乳幼児が感染します。主な症状は嘔吐・下痢・発熱で、熱は38度以上、脱水症状に至る重度のものが多く、下痢が長引くのもロタの特徴。激しい嘔吐・下痢による脱水で、入院となるケースも多くあります。

ここでは、より重い感染症を引き起こすロタウイルスについて解説していきます。

ロタウイルスとはどんなウイルスですか?

ロタウィルスは、感染力が非常に強いウイルスで、ほとんどの乳幼児が感染を経験します。秋から冬にかけて発生し、乳幼児の冬場の急性下痢症の原因の8割以上を占めます。

ロタウイルスとは何ですか?

ロタウイルスは感染することで、激しい嘔吐と下痢を引き起こす有害ウイルスです。乳幼児がかかる場合がほとんどで、汚れた手で鼻や口に感染者の糞便が接触することによって、経口で感染が広がる強い伝染性を持っています。

1~3日の潜伏期間を経て、下痢が始まり、約1週間で便から排泄されます。汚れた物、飲食物、または感染者の手や口に触れることで間接的に発症することもあります。 成人が感染することもありますが、症状は軽度です。

ロタウイルスはどんな病原菌ですか?

ロタウイルスは、胃や呼吸器の疾患を引き起こすレオウイルス科のウイルスの一種です。アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が高い 「ノンエンベロープウイルス」でもあります。

ロタウイルスの症状はどのようなものですか?

症状としては、発熱、嘔吐、水様の下痢、胃痛が挙げられ、ロタウイルスにかかった乳幼児は、衰弱して大泣きすることもあります。
より重い症状としては、長引く嘔吐や下痢(3〜8日間続きます)による脱水症状があります。水のような下痢便が特徴で、便の色も白っぽくなることから、白色便性下痢とも言われます。激しい嘔吐を伴うこともあるため嘔吐下痢症、小児仮性コレラ、白痢などとも呼ばれています。

ロタウイルスの症状はどのように診断されますか?

検査によってロタウイルスを診断します。確定診断のために便を採取して検査することもあります。

ロタウイルスの予防や回避は可能ですか?

ロタウイルスは経口ワクチンが、一定の効果を持つと考えられています。2種類の投与スケジュールがあり、0歳児に対し、2ヶ月目と4ヶ月目に2回投与する場合と2、4、6ヶ月目に3回投与する場合があります。いずれも8ヶ月目になる前に規定の用量を服用する必要があります。

しかし、ワクチンは100%有効というわけではなく、接種後も感染することがあります。 しかしワクチン接種を受けた子どもは、受けていない子どもに比べ重症度が低くなります。予防接種以外で最も簡単で効果的なのは、手洗いです。 赤ちゃんがウイルスに感染しているかどうかに関わらず、おむつの交換後は、親も赤ちゃん自身も必ず手を洗ってください。ロタウイルス感染者と一緒にいる場合、その人や物に触った後は必ず手を洗ってください。

ロタウイルスの治療

ロタウイルスは専門の特効薬はなく、抗生物質で治療することもできません。医師が行うのは発熱と下痢の治療で、脱水症状がある重度の症例の場合は、水分補給を重視します。自宅でも少量のかき氷、アイスキャンディーを食べさせれば、子どもの水分補給になります。脱水症状が深刻な場合、病院で点滴を受けたり、入院が必要になることがあります。

ロタウイルスに感染した生活

子どもがロタウイルスにかかってしまった場合、短期間であっても、子どもにとっても看病する家族にとっても対処が困難な状態になります。子どもを少しでも快適に過ごすことができるようにし、衛生に気を配り、家庭内の伝染を防ぐことが優先事項になります。

おわりに:必ずワクチン接種を

ロタウイルスに対して、現時点で有効な予防法はなく、4~5歳までにほとんどの子どもが感染します。ワクチンの予防接種は、感染した際に、症状が軽くて済み、重篤な胃腸炎にならないのでとても重要です。必ずワクチン接種を受けてください。

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