「ダイエットがうまくいかない…」それ、服用薬が原因かも?

2017/6/15 記事改定日: 2019/7/18
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

ダイエットを妨げる恐れのある薬を服用していると、体重増加を引き起こす可能性があります。この記事では、どのような薬が体重増加を招いてしまうのかを紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

糖尿病の薬

  • グリメピリド(アマリール)
  • インスリン
  • ナテグリニド(スターシス、ファスティック)
  • ピオグリタゾン(アクトス)
  • レパグリニド(シュアポスト)
  • スルホニルウレア

これらの薬は、服用を始めたばかりの頃から体重が増える可能性があります。昔からある薬の中には、脂肪細胞にカロリーを取り込ませたりするものもありますが、この結果体重が増えてしまうと、すでに過体重の2型糖尿病患者にとってはますますダイエットが困難になってしまいます。

コルチコステロイド

  • メチルプレドニゾロン(メドロール)
  • プレドニゾロン
  • プレドニゾン

コルチコステロイドは痛みや炎症を軽減する薬ですが、代謝に影響を及ぼすため、長い間を服用すると食欲が増え、特に腹部周辺に脂肪がたまりやすくなる傾向にあります。ダイエット中の方は注意しましょう。

発作や片頭痛の予防薬

  • ミトリプチリン
  • ノルトリプチリン
  • バルプロ酸

片頭痛や発作を止める薬は、食欲をコントロールするホルモンに影響を及ぼし、満腹感を鈍くする可能性があります。食欲が高まり食べすぎて、ダイエットが失敗してしまう可能性があるのです。

β遮断薬

  • アセブトロール(アセタノール)
  • アテノロール
  • メトプロロール
  • プロプラノロール(インデラル)

β遮断薬は心拍数を減らし、血圧を下げることによって心臓の負担を緩和します。しかし代謝も低下するので、さほどカロリーが燃焼しなくなります。つまり、ダイエットのために運動をしても体重が減らないという現象を引き起こす可能性があるのです。

アレルギーの薬

  • セチリジン(ジルテック)
  • ジフェンヒドラミン(ドリエル、ベナドリル)
  • フェキソフェナジン(アレグラ)
  • ロラタジン(クラリチン)

上記のアレルギー薬は、アレルギー症状の原因である化学物質「ヒスタミン」の作用を遮断しますが、ヒスタミンが遮断されることで食欲が増進し、体重が増加してしまうことがあります。

「薬が原因で痩せられないのかも?」と思ったら

薬を服用して以来体重が増えていると気づいても、医師に相談する前に服用をやめてはいけません。まずは医師に相談し、別の薬に切り替えられないか尋ねてみましょう。

また、薬を切り替えるのが難しかったとしても、食生活を改善させて運動量を増やせばダイエットできる可能性があります(ただし、体重が減るまでに時間がかかる場合があります)。しかし、何らかの病気を抱えている場合は、医師との相談なしに食事制限や激しい運動をしてはいけません。たとえば糖尿病患者の場合、食べる量が少ないのに運動量が多いと血糖値が急激に低下し、命にかかわる恐れがあります。医師の監督下でダイエットを行うようにしてください。

おわりに:処方薬について医師と相談を

ご紹介してきた薬の中で服用中のものはあったでしょうか?「この薬を飲んでから体重が増えた」「持病を治療しつつ、ダイエットも成功させたい」という方は、一度病院で医師と相談することをおすすめします。

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