記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
2017/7/6 記事改定日: 2019/11/12
記事改定回数:2回
記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
子供は太陽光の下で肌をさらして何時間も遊んでいて安全なのでしょうか?子供時代に紫外線にさらされていたことが、後のダメージの原因となるのでしょうか。この記事では、子供の紫外線対策の方法について解説しています。
紫外線は大人だけでなく、もちろん子供にも様々な障害を引き起こします。
むしろ、子供は皮膚の防御機能が未熟なため、紫外線の影響を受けやすく、子供の頃から多くの紫外線を浴びすぎると、皮膚がんや白内障などの病気を発症するリスクが高くなることが知られています。
「日焼け=健康的な子供」と考える人も多いでしょうが、日差しが強い日はこまめに日焼け止めを塗ったり、帽子をかぶるなどの対策を行うようにしましょう。
紫外線による皮膚への刺激は「メラニン色素」によって防御されています。このため、メラニン色素の多い日本人は、少ない白人人種に比べて害を受けにくいと考えられています。
しかし、紫外線は皮膚の遺伝子にダメージを与えることが知られており、メラニン色素による防御能よりも多くの紫外線を浴びすぎると、遺伝子へのダメージが積み重なって皮膚がんを発症することもあります。
そして、紫外線は皮膚がんだけでなく、目にも悪影響を与えます。
代表的な病気は白内障と翼状片です。紫外線が長く目の水晶体にあたり続けると、水晶体を構成するたんぱく質が変性を起こして白く濁る「白内障」を発症します。
また、黒目と白目の境目がダメージを受けると、白目部分の組織が異常増殖して黒目に侵食する「翼状片」を引き起こします。
さらに、紫外線はアレルギーの原因となることもあり、紫外線の刺激によって湿疹が生じる「日光過敏症」を生じることも少なくありません。
紫外線の量が増えている現代では、子供も日焼け止めを利用して紫外線対策をすることがすすめられています。しかし、子供の肌は大人に比べてデリケートなため、単に紫外線を遮断する効果が高い日焼け止めを選ぶのではなく肌に刺激が少ないものを選ぶ必要があります。
一般的な日焼け止めの効果を表す指標には「SPF」と「PA」があり、それぞれ数値が高いほど効果は高くなります。しかし、数値が高くなるほど肌への負担が大きく洗い落としにくくなるというデメリットもあるのです。
子供に使用する日焼け止めは「SPF」や「PA」があまり高くなく、アルコールやパラペンなどの成分が含まれていないものを選ぶとよいでしょう。
子どもの紫外線対策は日焼け止めの使用以外に、次のような対策をとりましょう。
日焼けには「健康的」なイメージがありましたが、現在では紫外線の影響を考えると早いうちからきちんと紫外線対策をしたほうがいいと考えられています。
適切な紫外線対策をすることで皮膚がんなどのトラブルはある程度予防できるといわれています。
子供が外で思いっきり遊べるように、きちんと紫外線対策をしてあげましょう。