大麻、覚せい剤ばかりじゃない!危険薬物が蔓延しています!

2017/3/14

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

「合法ハーブ」や「お香」など、
インターネットや繁華街の一部の店舗では、さも安全、合法であるかのようなイメージをあたえて、危険薬物「危険ドラッグ」を販売しています。

当然、人体に安全な薬物ではありません。

危険ドラッグの使用後、運転中に意識障害となり、痛ましい交通事故を引き起こしたニュースは、覚えている人も多いのではないでしょうか。
交通事故だけでなく、けいれん、呼吸困難、意識障害等を起こし、死亡するケースも多発しています。

行政も必死に規制を図りますが、いくら規制しても法の網をかいくぐるかのように新しいドラッグが続々と誕生するため、業者と行政のイタチごっこの様相を呈しています。

そして、危険ドラッグには、大麻や覚せい剤など法律で規制されている薬物以上の依存性・中毒性を有する人工成分を含んでいるものまであります。

ここでは、危険ドラッグをはじめ、おもな危険薬物による害を説明していきます。

危険薬物とその害悪・危険ドラッグ(新規向精神薬)

危険ドラッグを含む、ほとんどすべての精神活性薬の主な効果は、以下の3つのカテゴリーに分類されます。

・興奮剤
・鎮静剤
・幻覚剤

鎮静効果と幻覚作用の両方を持つ合成カンナビノイドは、それぞれのカテゴリーに分類されることがあります。合成カンナビノイドは、危険ドラッグ市場の大部分を占めており、特に問題があり、有害です。 類似の名前で強度が違う危険ドラッグが多数存在し、人によって効果も異なります。

危険ドラッグは健康にどのような影響を及ぼしますか?

危険ドラッグは、新しいものが次々に誕生するため、どれくらいの種類があるのかすら把握ができず、研究も追いついていないのが現状です。使用することによる短期的・長期的な健康リスクに関する研究も、ほとんど、あるいはまったく行われていないため、予測不能の被害が出るリスクもあります。

また、危険ドラッグの法医学検査では、パッケージに記載されているものとは異なる物質、または異なる成分の混合物が含まれていることが多いことが判明しています。 これは、自分が何を服用し、どんな影響があるかがわからないということを意味します。

危険ドラッグのリスクとしては、以下のようなものが挙げられます。
・脳のコントロール能力を低下させるので、通常はしないような行動に走る可能性がある
・妄想、昏睡、発作を引き起こし、死に至ることもある
・含有成分が確認できないため、どんな影響があるかはわからない

危険薬物とその害悪・大麻(マリファナ)

大麻は、知覚を変化させ、鎮静作用を起こす薬物です。大麻草(アサ)という植物からつくられているのため、「自然由来のもの」とされていますが、安全というわけではありません。大麻はタバコにしたり、パイプで吸引します。また、「お茶」として摂取したり、ビスケットやケーキ、ピザなどに混ぜて食べる人もいます。

大麻を使うとどんな気分になりますか?

大麻を使うとリラックスし、幸福感が感じられますが、副作用として、疲労感、強い不安感、妄想が出たり、精神障害を引き起こすこともあります。

大麻はどのように健康に影響を及ぼしますか?

大麻は、精神面では統合失調症など、身体面では、喘息や肺疾患などに関連します。 大麻は脳の働きに影響をあたえるため、定期的に使用すると集中力と学習能力を低下させます。

また、頻繁に使用するようになると生殖能力に悪影響を及ぼすことがあります。 大麻を服用後、運転することも危険です。タバコに混ぜて吸引すると、心臓病や肺がんのリスクが高くなる可能性があります。

大麻には中毒性がありますか?

「大麻はタバコよりも害がない」と一部で言われていますが、そんなことはありません。大麻には中毒性があり、大麻依存に陥る危険性があります。また、大麻をやめると、禁断症状を経験する人もいます。

危険薬物とその害悪・コカイン

パウダーコカイン(コークス)、フリーベース、クラックといったドラッグは、すべてコカインが元となっている麻薬で、すべて強力な覚醒剤です。フリーベースとクラックは喫煙、粉末コカインはガラス管で吸引します。粉末のコカインとクラックの両方とも注射で使用することもできます。

コカインを使うとどんな気分になりますか?

コカインを使うことで、幸福感と覚醒をもたらし、体にはエネルギーが高まり、危険を冒すことにつながる過信感が生まれます。しかし、使用するにつれて必要な量が増えていくため、より多くの量を摂取するようになります。中毒になると、効き目が切れた時に、気分の低下、不快感、倦怠感が数日間続きます。

コカインはどのように健康に影響を及ぼしますか?

コカインを摂取すると心臓や神経系を過度に刺激し、心筋梗塞を引き起こすこともあります。過剰摂取すれば死に至る危険性もあります。アルコールと混合して使用するとさらに危険です。高血圧や心臓病がある場合、コカインは特に危険で、また妊娠中も赤ちゃんに害を及ぼし、流産を引き起こすこともあります。

また、吸引を続けた場合、時間の経過とともに鼻の軟骨が損傷すること、注射を続けた場合、静脈および体組織に重大な損傷をあたえ、死亡のリスクが高くなります。針を共有すれば、HIVや肝炎になるリスクもあります。

コカインには中毒性がありますか?

コカインは非常に中毒性が強く、依存を引き起こします。

危険薬物とその害悪・エクスタシー

エクスタシーは、通常は錠剤として販売される「幻覚を起こす」覚せい剤ですが、歯茎に塗ったり、粉末の形で吸い込まれることもあります。その場合、MDMAや「クリスタル」とも呼ばれます。

エクスタシーを使うとどんな気分になりますか?

エクスタシーを使うと頭が冴え、愛情豊かでおしゃべりになり、音楽や色に敏感になります。

エクスタシーはどのように健康に影響を及ぼしますか?

エクスタシーを摂取すると、不安、混乱、被害妄想、精神病、記憶障害、うつ病、不安、体温調節の異常、脱水状態を引き起こすことがあります。

エクスタシーには中毒性がありますか?

エクスタシーは強い中毒性があり、依存を引き起こします。また、薬物に対する耐性ができれば、大量に摂取しないと効果が得られなくなる可能性があります。

危険薬物とその害悪・スピード

スピードは、覚醒剤の一種です。通常、オフホワイトまたはピンクの粉末で、歯茎に塗ったり、紙に包んで吸引したりします。

スピードを使うとどんな気分になりますか?

スピードを使うと頭が冴えたかのように感じ、自信にあふれて元気になり、食欲がなくなります。しかし攻撃的になることがあり、混乱状態、妄想、さらには精神病を引き起こす可能性があります。また、大量に摂取すると、数時間から数日間、極度のうつ状態、昏睡状態になることもあります。

スピードはどのように健康に影響を及ぼしますか?

高血圧や心臓発作を引き起こす可能性があります。血圧や心臓に問題がある人が、アルコールと混ぜて使用すると、さらに危険です。 過剰摂取による死亡が起こる可能性もあるため、注射は特に危険です。スピードは通常不純物で、注射すると静脈や細胞組織に損傷を与え、身体や血流に深刻な感染を引き起こす可能性があります。注射器を共有すれば、C型肝炎やHIVに感染するリスクも高まります。

スピードには中毒性がありますか?

スピードには強い中毒性があり、特に定期的に使用していると中毒性は更に強くなります。

おわりに:間違ったイメージに騙されないように

危険ドラッグには、麻薬に値する規制薬物が含まれているものが多数あります。「合法」「脱法」を謳い文句にしているからといって「危険ではない」ということではありません。間違ったイメージに騙され、たった一度の人生を台無しにしないよう、気をつけましょう。

長期間はおろか短期間の使用でも、気づいたときには依存状態になっているのが、ドラッグなのです。

この記事に含まれるキーワード

種類(67) 危険薬物(2) 大麻(4) コカイン(3) 薬物(7) スピード(2) ドラッグ(4) 新規向精神薬(1) マリファナ(1) エクスタシー(1)