記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/6 記事改定日: 2019/9/2
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
赤ちゃんの耳は、大人のミニチュア版のように見えますが、大人とは違った構造をしています。そのため、聞こえ方や耳を守るためにした方が良い対策も大人とは違ってくるのです。
この記事では、赤ちゃんの耳を守るためにできる対策について解説していきます。
産後の聴力検査で異常がなければ、赤ちゃんの耳は大人よりも高い周波数を聴き取ることができます。
これは大人の耳が老化していたり、騒音などで劣化していたりするからですが、赤ちゃんの耳の中の管が大人よりも細く、蛇行が激しく、より柔軟性があるという「耳の構造」も関係しています。
赤ちゃんの耳は大きな音にとても敏感ですから、大人なら大丈夫な音でもひどく嫌がって泣き叫んだり耳をふさぐ仕草をすることがあります。
そのような仕草が多いときは、なるべく静かな環境を作ってあげましょう。
ただ、ヘッドフォンは本来赤ちゃんの耳にとって好ましくありません。
ヘッドフォンが必要な場合は、ボリュームをあまり大きくしないようにし、ノイズが少なくなるように工夫をしてあげましょう。最近は赤ちゃん用のヘッドフォンが販売されているので試してみてもいいかもしれません。
赤ちゃんの耳の構造は未熟なため大人よりもさまざまな感染症にかかりやすいのですが、その中でもとくに多いのが中耳炎です。
鼓膜の内側の中耳や内耳と呼ばれる部位は、本来、細菌やウイルスなどが存在しない清潔な環境になっています。
ただ、中耳には圧を調整するために喉や鼻と繋がっている「耳管」と呼ばれる細い管があります。
大人は耳管が長く、のどや鼻と中耳との角度が鋭角になっているため、のどや鼻にいる病原体は中耳に入り込まない仕組みになっています。
しかし、赤ちゃんは耳管が短く、角度もほぼ直角であるため、のどや鼻の病原体が中耳内に入り込みやすく、軽い風邪をひいただけで中耳炎を発症してしまうことあるのです。
また、中耳炎が悪化すると中耳に溜まった滲出液や膿が鼓膜を破って外耳道から体外へ流れ出ることがあります。そのときの滲出液や膿の中に含まれる病原体が外耳道に感染して、外耳炎を発症することもあります。
などの症状がある場合はできるだけ早く病院を受診しましょう。
また、中耳炎などを防ぐためにも鼻水や咳などの風邪症状が続く場合は病院でしっかり治療するようにしてください。
赤ちゃんの耳はとても敏感で繊細にできています。大人が大丈夫な環境でも、赤ちゃんにとっては不快だったり耳に良くない環境だったりすることがあります。
赤ちゃんの症状や仕草の変化に早く気づけるように見守りながら、できることは早めに対策をとっていきましょう。