記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
2017/6/16 記事改定日: 2018/3/29
記事改定回数:1回
記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
日頃から気をつけて洗顔をしていても、肌ケアをしていても、思春期や生理前にはどうしてもニキビができてしまうことがあります。特に目立つところにニキビができてしまったときは、「潰したい…!」という衝動に駆られるのではないでしょうか。でも、キレイな肌のためには、ニキビを潰す前に知っておくべきことがたくさんあります!ぜひこの記事に目を通してください。
「軽いニキビなら潰せば治る」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、原則として、自分でニキビを潰すのはNGです。
ニキビには皮脂、角質、アクネ菌などが詰まっています。つまりニキビは、アクネ菌を内包して害を最小限に留めてくれている存在でもあるのです。そのニキビを潰すと、皮脂やアクネ菌が外に流れ出て、ほかの毛穴に入って新しいニキビができてしまう恐れがあります。
また、ニキビを潰すと別のリスクも発生します。中の皮脂やアクネ菌が皮膚のより深いところに押し込まれてしまったり、指に付着している菌がニキビの中に入ってしまったりするのです。そうすると、ニキビがもっと赤みを増したり、腫れたり、かさぶたになったり、さらに感染したりして、最悪の場合ニキビ跡になってしまうかもしれません。
ニキビがよくなるか悪化するかは、あなたの忍耐力にかかっています。ニキビは3~7日で自然治癒するものなので、清潔に保ち落ち着くのを待つのがよいのです。途中で潰すと治るまでの時間が長引いてしまったり、新しいニキビができたりしてしまうのでおすすめしません。
先述のとおり、ニキビは潰すと基本的に悪化するので自然治癒を待つべきです。それでも「どうしてもニキビが気になって仕方ない」という方向けに、ニキビを比較的安全に圧出する方法をお伝えします(なお、潰していいのは初期ニキビである白ニキビまでです。赤ニキビや黄ニキビなどの炎症状態のニキビは、潰すと悪化し、色素沈着する恐れがあります)。
1.ニキビの頂点が白くなるまで潰すのを待つ
ニキビの頂点が白くなっていれば、膿が皮膚の表面のすぐ近くまで来ているサインです。膿が外に出しやすくなっています。
2.手を徹底的に洗う
温水と石けん、爪ブラシを使って徹底的に洗ってください。
3.針を消毒する
ニキビを潰すときに使う針を、煮沸消毒します。その後冷やし、アルコールで拭いてください。
4.ニキビと指を消毒する
ニキビをアルコールで浸した消毒綿で拭いてください。また、手も消毒しましょう。
5.ニキビに針をさす
皮膚に対して平行に針を構え、ニキビの白くなった部分のちょうど真ん中にそっと穴を開けましょう(手指の爪で潰すと指からの雑菌が付着し、炎症を起こしたり跡が残ったりするので絶対にやめてください)。
6.ニキビの膿を絞り出す
滅菌されたガーゼか綿棒でニキビの両脇からそっとニキビを圧出しましょう。もし膿が簡単に出てこない場合、そのニキビはまだ潰す準備ができていなかったということなので、すぐに中断してください。
7.患部は触らない
圧出後のニキビは炎症が強い状態です。メイクは避け、紫外線に当たることも避けた方がよいでしょう。にきび跡にならないためにもその後の保湿や、ビタミン剤内服をして清潔に保ちましょう。
まず、ニキビのことでお悩みなら皮膚科で相談しましょう。皮膚科での治療は、ニキビの状態に応じて、以下のようなさまざまな方法があります。
イソトレチノインやダイアン35といったピルの内服で、ニキビ治療を行います。大人ニキビは男性ホルモンが過剰になると発生しやすいため、ピルによって女性ホルモンを補給することで男性ホルモンの作用を抑制します。
ステロイドの一種であるケナコルトを注射することで、免疫作用を抑制し、炎症を抑える治療法です。消炎効果はあるため、ニキビ自体の腫れは治りますが、ニキビができやすい肌質を改善する治療法ではないので、治療効果は一時的なものとなります。
サリチル酸やAHAといった酸性の薬品を使い、毛穴に詰まった角栓や角質層を溶かすことで、皮膚のターンオーバーを促す治療法です。ただ、酸を使うために敏感肌の方や、ニキビがすでに炎症を起こしている場合は推奨されず、初期ニキビである白ニキビや黒ニキビに適応されます。
針などを使ってニキビの表面に小さく穴を開け、アクネプッシャー(面ぽう圧出器)を使ってニキビの内側にある膿や皮脂を摘出する治療法です。この治療によってニキビ跡が残る心配はほぼありませんが、あくまで対症療法となります。
炭酸ガスレーザーによって皮膚組織を焼き切り、ニキビ部分の毛穴に溜まった膿や皮脂を排出させます。他にも、フラクショナルCO2レーザーやロングパルスYAGレーザーなどさまざまな治療法があります。
ニキビは潰すと炎症が悪化したり新たなニキビを引き起こしたりするので、基本的には自然治癒を待つのがベストです。「自然に治るまで待てない!」という場合は皮膚科医に相談するか、ご紹介した方法でニキビを慎重に潰してみてくださいね。