1型糖尿病の症状や合併症のリスクについて

2017/6/8

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

糖尿病が悪化すると、さらに長期的な健康問題となり得るような合併症を発症する可能性があります。糖尿病を予防するためにも、更なる症状の発生を防ぐためにも、1型糖尿病とそのリスクについて知っておきましょう。

1型糖尿病とは

糖尿病は血糖値が高くなり過ぎている状態のことです。
糖尿病の種類は大きく1型と2型に分類され、1型糖尿病は膵臓が血液中の血糖量を制御する役目を担うインスリンという物質を産生できないことが原因になります。
インスリンが不足すると血糖が細胞の中にうまく取り込まれなくなるため、血糖値が高くなってしまうのです。

主な症状

1型糖尿病の主な症状は以下のとおりです。

・激しいのどの渇き
・通常よりも頻繁に、特に夜間に排尿することが増える
・非常に疲れを感じる
・体重減少および筋肉の損失

症状は通常、若年者では数日または数週間という非常に速い速度で発症します。
成人の場合は、発症には数ヶ月ほどかかるケースが多いです。

1型糖尿病の原因

1型糖尿病は自己免疫疾患であるとされ、免疫系が間違って健康な体組織(この場合は膵臓)を攻撃することで発症します。
損傷した膵臓はインスリンを産生することができません。

原因としてはウイルス感染が契機であることが示唆されていますが、同じウイルスに感染しても全員が1型糖尿病を発症するわけではりません。
従って、発症しやすさに関して遺伝的な素因も複合していると考えられています。

遺伝によるもの

自己免疫反応は遺伝的なものである可能性が高いとされていますが、1型糖尿病も遺伝することが多い(家族間で遺伝する)と考えられています。
親戚・兄弟・姉妹などの親戚が第1型糖尿病を罹っていると、1型糖尿病と密接な関係がない人のリスク0.5%弱であるのに対し、それを発症する確率は約6%に上昇するといわれています。

ウイルスによるもの

免疫系が膵臓を攻撃する原因は判明していませんが、一部の研究者はウイルス感染が原因であるかもしれないと示唆しています。

合併症について

腎臓や血圧の不調にとどまらず、1型糖尿病には様々な合併症を引き起こす危険性が含まれています。

視力障害

糖尿病の合併症として糖尿病性網膜症があります。
網膜の細い毛細血管が糖尿病によって障害されるために起こります。
12歳以上の糖尿病患者は、糖尿病性網膜症予防や早期発見のために、1年に1度は目の検診をうけることが望ましいです。

腎不全および下肢切断

糖尿病は腎不全や下肢切断の代表的な原因となります。

脳卒中および心筋梗塞

糖尿病患者が脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患になる可能性は、糖尿病のない人に比べて5倍も高いといわれています。

1型糖尿病との付き合い方

残念ながら糖尿病を完治させることはできません。
対処法としては、更なる健康上の問題への発展を防ぐために血糖値を可能な限り正常な状態に保って症状をコントロールすることや、インスリン注射で不足しているインスリンを補うことなどがあります。

また、日常生活で意識して行うべきこととして以下の行動があげられます。

・健康でバランスの取れた食事をする
・太りすぎの場合は体重を減らす/健康体重を維持する
・喫煙している場合は禁煙する
・アルコールの量を適量にする
・定期的にエクササイズをする

おわりに:正しく血糖値を管理して、糖尿病の発症や進行を防ぎましょう

1型糖尿病はきちんと血糖値を管理していかないと合併症の危険が高まります。
予防するためにも既に発症している場合も、普段の生活に上記に述べた方法などを取り入れて、発症や進行を防いでいきましょう。

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