記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
アルツハイマー病とは、認知症の原因となる疾患のひとつです。発症すると記憶障害となることが多く、病が進むにつれて場所・時間・人物などの認識が難しくなります。
ここでは、アルツハイマー病の原因や症状、付き合い方などを見ていきましょう。
はっきりした原因は不明ですが、発症には以下の要因があるとされています。
・加齢による脳の変化
・遺伝
・脳の神経細胞が減少する
・記憶を司る海馬を中心に脳全体が萎縮する
・脳に老人斑と呼ばれるシミが広がる
・脳の神経細胞に糸くず状の神経原線維変化が見つかる
など、アルツハイマー病を発症すると脳に上記のような変化が現れます。
研究では遺伝子がアルツハイマー病の発症に大きく関わることがわかっています。
たとえば30歳から60歳の人に発症する若年性アルツハイマー病は、この病気の中では非常に珍しいケースであり、アルツハイマー病患者全体に占める割合は5%未満とされています。
若年性アルツハイマー病はほとんどの場合、親から受け継がれた既知の3つの遺伝子のうちのいずれかの変化によって引き起こされていると考えられています。
アルツハイマー病の経過は人によって異なりますが、症状は「症状が認められない早期あるいは発症前の段階→軽度認知障害(中期の段階)→アルツハイマー病による認知症」という3つのステップを経て進行すると考えられています。
・ほかの同年代の人に比べ、もの忘れの程度が強い
・日常生活にはそれほど大きな支障はきたしていない
・もの忘れがなくても認知機能の障害がある
・家族や友人を認識するのが難しくなる
・新しい状況へ対応しにくくなる
・幻覚及び妄想が見られる
・コミュニケーション能力の喪失
・体重が減少する
・痙攣発作を起こす
・嚥下困難
・うめき声をあげる
・睡眠時間が増える
・排便・排尿に支障をきたす
もしも身近な人がアルツハイマー病になったら、病気についてきちんと知るようにしましょう。
事前に知識を身につけることで、アルツハイマー患者がなぜそのような言動をとってしまうのかを理解しやすくなるからです。
また、デイサービスや訪問介護サービスなど社会機関を利用したり、ケアマネージャーに介護方法を聞いたり、介護での悩みを相談するのも良いでしょう。
認知症の原因となる疾患のひとつであるアルツハイマー病。
はっきりした原因や治療法は見つかっていませんが、家族の方や周囲が理解を示し、時には社会機関などの力を借りながらケアを行なっていくとこが大切です。