記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
2017/7/10
記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
ニキビの原因になっている食べ物って何を思い浮かべますか?ポテトチップス、チョコレート...?
実際、これらの食べ物は本当にニキビの原因になっているのでしょうか。答えはイエスでもありノーでもあります。近年の研究で食事とニキビの発生の関連性が示されてきていますが、特定の食品がニキビの原因になっているかといえば、必ずしもそうではないのです。
ですが、食事内容を改善すれば、ニキビが良くなる可能性があります。この記事では食事とニキビの関係について解説していきます。
ここ40年間のニキビに関する研究では、食事はニキビと関係がないと言われてきました。しかし、近年の研究では血糖値の上昇とニキビの発生に関連があるという考え方が支持されるようになってきています。
血糖値が上がると、糖分を吸収するためにインスリンが大量に分泌され、このインスリン値の上昇が皮脂の分泌を促進しニキビを発生させている可能性があると考えられています。そのため、ニキビの改善のためには血糖値を上昇させない低GIな食事が効果的だといえます。
実際研究では、3ヶ月間、低GI食品を中心とした食事をとる人と、血糖指数を気にせずに炭水化物をたくさんとる人を比較した結果、低GI食品を中心とした食事をとる人のにきびに、より改善が見られたことが明らかになりました。
乳製品の摂取とニキビの関連性に関しては、まだ明確に証明されてはいませんが、いくつかの説があります。例えば、2008年に発表された研究は牛乳に含まれるホルモンのテストステロンが皮膚の油腺を刺激し、にきびの原因になっているのではないかと指摘しています。実際、治療においてニキビに悩む人に乳製品を控えるように指示したところニキビが改善した例も確認されています。
ですが、ニキビと乳製品の摂取の関連性がまだはっきりしていないことは事実です。さらに、乳製品を控えると体に必要な栄養素が不足してしまう可能性もあります。
そのため、ニキビのために乳製品の摂取を控える方法は一定の効果が期待できるものの、個人差があることが予想されます。このような可能性を考慮したうえで、ニキビのために乳製品を控えるときは、カルシウムなどの栄養素を他の食品で補うようにしましょう。乳製品を控えることで、ニキビが改善したらこの方法を続けてみてもいいでしょう。
私たちが食べる食品に含まれるさまざまな脂肪酸は、皮膚の炎症を強めたり、逆に弱めたりする効果があります。そのため、脂っこい食事はしばしばニキビ悪化の原因といわれますが、すべての人にとってニキビの原因になっているわけではないのです。
ただし、専門家はコレステロール、トランス脂肪、飽和脂肪を多く含む食品を控えて、オメガ3脂肪酸などの健康にいい脂肪を含む食事をとることは肌の健康のために良いと言います。
ニキビの発生と食事内容の関係性は未だはっきりとしていないものの、低GIな食事や良質な脂肪を摂取することには一定の効果が期待できそうです。このような食事法は健康的な食事法の一つでもあり、ニキビだけでなく体全体の健康に効果があります。食事内容を改善し、健康的な食生活を心がけることがニキビ改善の第一歩になります。