記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/14
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
食事で足りない栄養を補うためにサプリメントを使っている人も多いと思います。便利なサプリメントですが、知らずに間違った使い方をしてしまうと、身体に悪い影響がでてしまうこともあります。この記事では、知ってるようで知らないサプリメントについて解説していきます。
サプリメントは、健康状態を改善するために取るビタミン、ミネラル、またはハーブです。ビタミンやミネラルは、微量栄養素とも呼ばれ、体に栄養を与え、健康を保つのに役立ちます。毎日の食事の中でさまざまな食べ物を食べることによって、微量栄養素のほとんどを得ることができます。食事に微量栄養素を取り入れれば確実かつ適切に体が吸収します。
しかし、果物、野菜、赤身肉、魚などの様々な食品を食べないと、体に必要な微量栄養素をすべて得られないということもあります。そんなときには、マルチビタミンやサプリメントが有効です。
以下のどれかがあてはまる人は、マルチビタミンやサプリメントを使うと効果的です。
・動物性食品を全く食べないベジタリアン
・妊娠している、或いは妊娠する予定の女性
・授乳中の女性
・月経が重い女性
・閉経を経験した女性
・体重減少の胃バイパス手術を受けた人
・胃腸疾患、乳糖不耐症、食物アレルギーなど、食物の消化に影響する病状を有する人
・胃、肝臓、膵臓、胆嚢の病気を持つ人 ※マルチビタミンの服用が癌や心血管疾患のリスクを軽減するという説は証明されていません。
最近は、ありとあらゆる栄養補助食品が入手可能です。どんな症状も治療してしまうとうたっているものは大抵、根拠が証明されていないものなので、注意が必要です。
人気のあるサプリメントとしては以下のものがあります。
・グルコサミン
・コンドロイチン硫酸
・プロバイオティクス
・消化酵素
・エキナセア
・コエンザイムQ10(CoQ10)
・ニンニク
・イチョウ・人参カバ[このようなサプリメントがあるのでしょうか?]
・メラトニン
・植物エストロゲン(ブラックコホシュ、ダイズなど)
・ソーパルメット(ノコギリヤシ)
・セントジョンズワート
どんな栄養補助食品も使用しはじめる前に医師に相談するのがオススメです。医師の指示がない限り、ラベルに推奨されている服用量を超えた使用をしないでください。また、成分リストを読んで、ほかにどんな補足成分があるのか確認するのも忘れずに行いましょう。
よくサプリメントのパッケージに書かれている「自然由来」という言葉は、安全性を保障するものではないので、誤解しないようにしましょう。病気などで診察を受ける場合は、医師に服用中のすべてのサプリメントを必ず伝えましょう。サプリメントがほかの薬と反応してしまう可能性があります。
食事でビタミンやミネラルが十分に得られないことが不安な方は、微量栄養素を得る方法について医師に相談してください。トータルの健康状態と、食事に欠けているビタミンやミネラルに応じた栄養補助食品を提案してくれることもあります。
新しいサプリメントを使いたいと思っている場合は、その目的を医師に伝えてください。
ビタミンEとベータカロチンが豊富な食品は非常に健康的ですが、循環器疾患の予防を考慮し、ビタミンEまたはベータカロチンの摂取は一部では反対されています。また、喫煙者や肺がんのリスクが高い人は、肺がんの危険性を高める可能性があるため、ベータカロチンを摂取しないよう推奨されています。
栄養補助食品が、すでに発症している症状に影響を与える可能性、及び服用中の処方せん薬や市販薬(OTC)と反応する可能性については、医師から話を聞きましょう。サプリメントは、出血や麻酔の問題を含む癌の治療や手術にも問題を引き起こす可能性があります。
慎重にサプリメントを選択し、疑問がある場合は、主治医や薬剤師に相談してください。 ビタミン、ミネラル、および栄養補助食品は、過剰に摂取しない限り、一般的に安全と考えられています。 これは、脂溶性ビタミンAとEの場合に特に当てはまります。(もしあれば)推奨される1日当たりの服用量を確認し、摂り過ぎに注意しましょう。
サプリメント、お茶または錠剤に含まれるハーブ製品、またはビタミンは、特定の薬物と一緒に摂取すると有害な反応を引き起こすことがあります。 これらの製品を使用している場合は、医師および薬剤師に必ず伝えてください。
医師が指示する場合を除いて、ラベルの推奨用量よりも多くの栄養補助食品を服用してはなりません。 ビタミン、ミネラルまたはハーブサプリメントを過剰摂取すると、望ましくない、あるいは危険な副作用が引き起こされる可能性があります。
不足している栄養素を補うにはサプリメントを使うことで効率的に摂取できます。しかし、サプリメントにばかり頼りすぎてしまって、食事がおろそかになってしまうことは避けたいもの。食事でしっかりと栄養を補うことを意識しながらサプリメントを使っていきましょう。