記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/9/4 記事改定日: 2019/9/9
記事改定回数:2回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中に赤ちゃんが順調に育つにつれて気になることといえば、赤ちゃんの性別ではないでしょうか?
この記事では、そもそも赤ちゃんの性別がどのように決まるのか、また妊娠中に性別をどうやって判定するのかについてお伝えします。
赤ちゃんの性別の主な判定方法として、病院で検査を受ける(検査によっては実施していない病院もあります)方法と、自宅でチェックできるキットを使う方法があります。
妊娠9週目になると、「NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査、または新型出生前診断)」と呼ばれる簡単な血液検査で赤ちゃんの性別を知ることができます。
性別判定の正確性は99%以上で、赤ちゃんの染色体異常(ダウン症など)のリスクを知ることもできるため、高齢出産や先天性欠損症のリスクが高い母親に推奨されています。また、器具の挿入などを伴わないので、母体や胎児への影響がほとんどないところがメリットです。「赤ちゃんの性別だけでなく染色体異常も知りたい」という方は、NIPTの実施について医師に相談してみるといいでしょう。
CVS(絨毛検査)と羊水検査はいずれも器具の挿入を伴う診断検査で、CVSならば10週目、羊水検査ならば15週目と、比較的早期に遺伝構成の分析や染色体異常の選別が可能です。ただし、器具の挿入に伴うため、わずかに流産の危険性が上がります。
超音波検査(エコー)はもっとも身近な検査で、母体にも胎児にも検査によるリスクがありません。基本的には妊娠18~22週目の間に行われます。
「NIPTもCVSも羊水検査も受ける予定がないし、超音波検査まで待てない」という人には、性別判定キットを使うという方法があります。尿で検査するものや血液で検査するものなどさまざまですが、いずれも尿中のテストステロンや男性特有のDNAの有無で性別を判断します。ただし、性別判定キットの結果は必ずしも正確ではないので、正確な性別を知りたければもう少し時期を置いて病院で検査を受けた方がいいでしょう。
医学的根拠はありませんが、超音波検査(エコー検査)がなかった時代には以下のような方法で赤ちゃんの性別を予想していました。
「お腹が前に出たら男の子で、お腹が横に広がる感じなら女の子」と、お腹の出方で性別を判断する方法があります。しかし、現在ではお腹の出方は骨盤の形によって異なるのであって、性別は関係ないと考えられています。
「お腹を蹴ることが多いと男の子、手足を突っ張るような動きが多いときは女の子」と、胎動によって性別を知る方法もあります。ただ、赤ちゃんはお腹の中で羊水に浮かびながら回転して手足を動かしているため、姿勢によって胎動を感じる位置も変わりますし、ぶつかる部分によって感じる強さにも違いがあります。また、男女問わず激しく動く子もいれば控えめな子もいるので、胎動による判別にも医学的根拠はないと言われています。
つわり中に揚げ物やジャンクフードなどの脂っこいものを食べたくなったら男の子、甘いものが無性に食べたくなったら女の子というジンクスがあります。また、つわりが重いと女の子でつわりが軽いあるいはまったくないと男の子ともいわれます。たdし、医学的には「つわり」はホルモンバランスの変化で現れる生理現象で、赤ちゃんの性別に左右されるものではないとされています。
今回ご紹介した判別方法は、いずれも医学的根拠があるわけではないので、赤ちゃんの性別を正確に知りたい場合は産婦人科で超音波検査(エコー検査)を受けてください。
赤ちゃんの性別は精子が卵子に受精した時点で決まっています。性別を決める要因は卵子に受精する精子が持つ染色体で、Y染色体を持つ精子が受精すれば男の子に、X染色体を持つ精子が受精すれば女の子になります(※母親由来の性染色体は常にXですが、父親由来の性染色体はXかYです)。
ただし、妊娠中の超音波検査(エコー検査)では染色体は見えないので、妊婦健診で性別がわかるようになるまではしばらく時間がかかります。
赤ちゃんの性別は受精の瞬間に決定していますが、妊娠7週頃までの段階ではまだ男性ホルモンを分泌する精巣が作られていないため、胎児の見た目はみんな「女の子」です。個人差はありますが、男の子はおよそ妊娠12週頃に精巣ができて男性ホルモンが分泌されるとともに、だんだんと男の子らしい姿になっていきます。
ただし、確実に性別判定できる時期はもう少し後で、妊娠16~17週くらいから判定できる場合もありますが、一般的には妊娠18~20週であることが最も多いといわれます。妊娠21週を過ぎるとさらに性別の判別がつきやすくなります。