記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/7/20 記事改定日: 2019/8/9
記事改定回数:2回
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
車椅子を使う方は、健常者と比べて運動で消費するカロリーが少ない傾向があります。このため、体重を減らすことは簡単ではありませんが、健康的な体重を維持するためにできることはあります。この記事では、車椅子の方におすすめのダイエット法と、そのコツをご紹介します。
車椅子を使っている人の場合、体重増加のリスクが特に高くなります。というのも、車椅子を使っていると脚の大きな筋肉を使わないことが多く、日常生活での消費エネルギーが少なくなるからです。 座っている時間が長くなると脚の筋肉が少なくなる可能性があるため、筋肉量の減少に伴って代謝量も減り、カロリーを消費しにくくなってしまうのです。
また、食事の量にも体重増加の原因があります。車椅子を使い始めたばかりの頃は、以前と変わらない食事を摂ることが多いと思います。しかし前述したように、エネルギーの消費量は減っているため、体重が増えやすくなります。また、育ち盛りのお子さんなど、食事からたくさんのエネルギーを摂取する必要がある人と一緒に暮らしていると、その人につられて同じくらい食べてしまい、結果的に体重が増えるケースも考えられます。
体重が増えすぎて肥満になってしまうと、2型糖尿病や心臓病、癌といった深刻な病につながるリスクが高くなるため、体重コントロールに注意する必要があります。
健康的にダイエットするためのポイントは、食事や身体活動の量を調整することです。摂取カロリーを減らすとともに、今まで以上に活発に動いてカロリーを消費しましょう。ただし、医師から運動制限されている場合は、食事療法を中心としたダイエットに取り組んでください。
体重を維持するためには、一般的な男性の場合は1日約2,500キロカロリー、女性の場合は1日に約2,000キロカロリーが必要です。しかし、車椅子の人の場合、この数値よりも摂取カロリーを減らす必要があります。
また、摂取カロリーを減らして食事を調整している間は、健康的な食生活を維持しつつ、必要な栄養素はすべてカバーすることが重要です。また、脂質や糖分を多く含む食品や飲み物の量を減らすことにも気を配りましょう。
以下に、健康的なバランスのとれた食事を心がける上でおすすめの食べ物を紹介します。
1日に必要なカロリーを計算するとき、かかりつけの医師や栄養士に相談するのもよいでしょう。
健康的な体重を維持するためには、なるべく活発に動くことが重要です。これは、食事から摂取した以上のカロリーを消費するためだけでなく、体力向上にもつながります。
できれば筋力トレーニングだけでなく、定期的に有酸素運動も取り入れてください。有酸素運動は、ダイエットにおいてとても重要です。スポーツをしたり、ジムに行ったりするのもよいですが、たとえば車や公共交通機関を使う代わりに少しずつ車椅子で出かけるようにするだけでも十分な運動量になります。
ジムを利用したいときば、車椅子の方に適した運動器具を使ったり、水泳、バスケットボール、ネットボール、バドミントン、ボッチャといった車椅子スポーツをするという選択肢もあります。
車椅子の方が毎日活動的に過ごすことは難しい、というイメージがあるかもしれません。でも、肥満や病気を防ぐ上で、健康的な生活を送ることは大切です。バランスのとれた食生活とともに、適度な運動にも取り組みましょう。