記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/18 記事改定日: 2019/4/19
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
過食症や拒食症などの摂食障害はストレスが原因とされていますが、これは本当なのでしょうか。
この記事では、摂食障害の原因とストレスとの関係性について、摂食障害の基礎知識を交えながら解説していきます。
ストレスが引き起こす行動の一つに、摂食障害が挙げられます。そして、特に多いとされる摂食障害は過食症(神経性大食症)と拒食症(神経性無食欲症)です。
残念ながら摂食障害の原因ははっきりしていません。ただ、摂食障害のある人の中には、生活上の何かのストレスや完璧でなければならないと自分を追い込んだりすることが原因になっている可能性があります。
また、摂食障害は流行に敏感な思春期などの若い世代が多いことから、メディアや社会が痩せていることを必要以上に神格化していることも影響しているかもしれません。
過食症になると、一度にたくさんの食べ物を食べた後に、嘔吐したり下剤で食べたものを外に出そうとする行動(パージング、浄化行動)をとるようになります。また、暴飲暴食の後に、体重増加を恐れて絶食したり、急に過度な運動することもあります。
また、過食症の人は自分の「過食」や「パージング」を恥ずかしいと感じているため、過食行動やパージングを隠そうとします。
拒食症の人は、体重が増えることを恐れて食べ物を食べようとしなくなります。
カロリーの数値や食事中の脂肪量を常に気にするようになり、ダイエットサプリメントや下剤などを飲んだり、周囲から見て異常と思えるほど過度な運動をすることもあります。
摂食障害は治療を進めるのが非常に難しい病気です。
器質的な病気が原因ではないため、治療は医師や臨床心理士などとのカウンセリングや認知行動療法などの心理療法が主体となります。
また、摂食障害はうつ病や不安障害などと併発することも多いため、抗うつ薬や抗不安薬、向精神薬などが利用されることもありますが、摂食障害に対する効果には個人差があり、目立った改善が見られないケースも少なくありません。
また、極度な摂食量の減少によって生命に危険が及ぶような場合には、経管栄養や中心静脈栄養などによって人為的に栄養分やカロリーを補給する治療が必要になることもあります。
摂食障害は、考えられる原因や症状によって治療法が異なるため、どのような治療を行っていくかについては必ず担当医から説明を受けるようにしましょう。
ストレスを抱えているといった精神的な問題と、摂食障害との関係には、まだまだ研究が必要な段階です。ただ、摂食障害に悩んでいる人の多くは、何らかのストレスを抱えていることが多いということが示唆されています。
専門医と相談しながら、ストレスのケアも含めて少しずつ改善していきましょう。