記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
お酒を飲むのが好きな人だとついつい飲みすぎてしまい、翌日、二日酔いに悩まされる。なんていうこともありますよね。今回は、そんな辛い二日酔いの対策や予防、二日酔いにならないためのアルコール量の目安などをご紹介します。
二日酔いを予防するためには、以下のことに注意しましょう。
外出する前に、炭水化物(パスタや米など)や、適度に脂肪を含む食事を食べましょう。食べ物で、体がアルコールを吸収するスピードを遅くすることができます。ただし、食べ過ぎには気をつけてください。
添加物などのは、脳の血管や組織を刺激し、二日酔いを悪化させる可能性があります。
アルコールと水もしくはソフトドリンクを交互に飲みましょう。ただし、炭酸飲料にはアルコールの吸収を早める作用があるとされているので避けてください。
寝る前に500ml程度の水を飲みましょう。ベッドのそばにコップ1杯の水を置いておき、夜中に目が覚めたら飲むと良いです。
二日酔いを避けるために、適量をわきまえることが大切です。
以下を目安に、普段飲んでいるお酒の単位数を確認し、1日2単位、週平均で14単位以上飲まないようにしましょう。
また、以下のことにも注意してください。
二日酔いは体内に取り入れたアルコール量が肝臓での処理能力を超えてしまうと引き起こされるものです。このため、肝臓の働きを活発にすることで二日酔いのリスクを減らすことが可能です。特に飲酒中に食べるおつまみに注意することで肝臓の働きを助けることができます。
具体的には、枝豆やピーナッツなどの豆類、豚肉料理などビタミンB群が多く含まれているメニューやタウリンが多く含まれるアサリ料理は肝臓の働きを活発にする効果が期待できます。
これらのおつまみを食べながらゆっくり楽しんで飲酒することで、二日酔いのリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
二日酔いを治す治療法はありませんが、症状を和らげる方法ならあります。寝る前に水分を補給するのがベストですが、翌朝でも水分補給をすれば、痛みを伴う症状に対処することができます。また、水分を補給する以外だと以下の対処方があります。
二日酔いには様々な症状がありますが、市販薬で改善することができるものもあります。
二日酔いは脱水状態となることで頭痛を引き起こします。最も大切な対処法は十分な水分を摂ることですが、頭痛がひどい場合にはバファリンやイブなどの一般的な鎮痛薬で改善することがあります。
吐き気や胃もたれはアルコールによって胃の粘膜にダメージが生じていることで生じるものです。このため、二日酔いでの吐き気や胃もたれはガスター®やファモチジンなどの胃薬を飲むことで改善することがあります。
ただし、吐き気や胃もたれがひどいのは、胃へのダメージが強い証拠です。このような場合には、頭痛があったとしても安易に鎮痛剤を服用すると胃へ余計なダメージを与え、水分や食事の摂取量にも影響が出て二日酔いの改善が遅くなることもあります。
基本的に二日酔いは、安静と水分補給で改善するものですので、強い吐き気や胃もたれがある場合には頭痛に対して鎮痛剤を使用しない方が無難でしょう。
甘い食べ物を食べると、震えを抑えるのに役立ちます。場合によっては、胃を最初に治すために、胃酸を抑える薬を服用したほうがよい場合があります。
ブイヨンスープ(薄い野菜ベースのスープ)やお味噌汁は、ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、失われた栄養素を補うことができます。主なメリットは、弱った胃の消化力を高める働きをすることです。
水やソーダ水、イオンウォーターなど、消化器系にやさしい飲み物を飲むことで、失われた体液を回復することができます。スポーツドリンクでもかまいませんが、少し薄めた方が良いでしょう。
「迎え酒(アルコールをもっと飲むこと)」は回復の助けになりません。迎え酒は危険性の高い習慣で、単に体内のアルコール成分が消えるまでの時間が長くなるだけです。お酒をたくさん飲んだときは、二日酔いのあるなしに関わらず体内の組織が回復する時間を作るために、次の飲酒をするまでに最低でも48時間は空けることをおすすめします。
二日酔いの症状には、頭痛、吐き気、めまい、脱水の症状があり、飲みすぎた人は本当に辛い思いをしますよね。そうならないためにも、自分の許容できるアルコール量を知り、お酒とうまく付き合っていきましょう。