何とかしたい! 背中の痛みを予防する方法とは

2017/7/6

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

背痛は背中の低い位置が痛む腰痛が特に一般的ですが、首から腰までの脊椎のどの位置でも痛みが生じる可能性があります。ほとんどの場合、深刻な原因は見られずに時間の経過とともに改善していきますが、中には医療機関で治療したほうが良いケースもあります。背痛の原因や予防法について、詳しく見ていきましょう。

痛みの原因を知ろう

背中が痛む原因を突き止めるのは難しく、原因不明の背部痛と診断されることも少なくありません。中には捻挫や肉離れなどの特定の怪我によって痛みが引き起こされている場合もありますが、多くの場合はこれといった要因がわからない状態です。ただし、深刻な怪我や病気が原因となっていることはごく稀です。
また、背部痛は以下のような病気が原因となっている場合も考えられます。
・椎間板ヘルニア(脊椎の椎間板の軟骨の一部が周辺の神経を圧迫している状態)
・坐骨神経痛(骨盤から足にかけて繋がる神経が刺激される状態)
これらが痛みの原因の場合、間隔の麻痺・弱化やチクチクする感じを引き起こすなどの症状を伴い、原因不明の背中の痛みとは別の治療法で対処されます。また、痛みが特定の病気によるものである場合を除いて手術は原則として行いません。

痛みを予防・改善するには

背中の痛みを予防するのは簡単なことではありませんが、以下を参考にするとリスクを減らすことができるでしょう。

痛みを予防する方法

・一般的な背中の体操やストレッチをする
・日常的に運動を行うなど、活動的に過ごす
・座りっぱなしにならないようにする
・重いものを持ち上げるときに注意する
・座っているとき(特にパソコンやテレビを見ているとき)の姿勢に気をつける
・ベッドや布団の固さが自分に合っているかどうか確かめる
・肥満の場合は健康的な体重まで減量する

改善に効果的な方法

背部痛の改善には以下の方法が効果的です。

活動的でいる

自力で背部痛を改善させる最も有効な手段は、日常的に行っている運動などを続けることです。意外に感じるかもしれませんが、長い間安静にしていると逆に痛みを悪化させてしまうことがあります。

体操やストレッチを試す

ウォーキング、水泳、ヨガ、ピラティスなどに挑戦してみましょう。これらは痛みの改善に有効です。

イブプロフェンなどの抗炎症成分が含まれる鎮痛剤を飲む

初めて飲む際はその薬が自分にとって本当に安全であるかをきちんと確認しましょう。不安があれば薬剤師に相談してください。

患部を温める、もしくは冷やす

一時だけでも痛みを和らげたいときには、温かい、または冷たいパックを患部に当ててください。近くのドラッグストアでも購入できますし、ペットボトルにお湯を入れたり、氷を袋に入れたりすることで代用もできます。

前向きに考える

難しいかもしれませんが、痛みは次第に良くなると考えながら過ごしましょう。実際に、前向きな人の方が回復が早くなる傾向にあります

専門家による治療が必要な場合

以下のような場合は、医師や専門家に助言を求めましょう。
・数週間たっても痛みが良くならない
・日常の活動に支障をきたすほど激しい痛みがある
・時間の経過と共に痛みが悪化している
・痛みについて心配がある、または向き合うのに苦労している
医師を訪ねると、可能な治療法について話し合うことができます。必要があれば、より適切な治療を受けるために理学療法士を紹介してくれることもあるでしょう。また、医師・専門家・理学療法士は、セルフケアだけでは治療が難しいと判断した場合、以下のような追加の治療を提案することがあります。

グループで行う体操

筋肉を鍛えるための体操や姿勢を良くするための方法を学びます。

用手療法

脊椎のまわりをマッサージするもので、一般的には理学療法士やカイロプラクター(脊椎ヘルスケアの専門家)、柔道整復師によって行われます。

認知行動療法のような心理的ケア

痛みに打ち勝つことが難しい場合に有効な治療法です。

おわりに

原因が不明なことも多い背部痛ですが、セルフケアや専門家からのアドバイスを行うことで予防することができます。上記に挙げた方法などを取り入れ、背中の痛みの軽減・改善のスピードを早めるのに役立ててください。

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