これって性病?それとも…?性器に異変を感じる病気とは?

2017/6/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

性器に感じる痛みや違和感、デリケートな場所だけにとても不安になりますよね。大きな病気のサインかもなんて心配までしてしまいます。
性器の異変によって感じる病気にはどんなものがあるのか見てみましょう。

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性交疼痛症

性交疼痛症とは、女性にみられるセックスの最中に起こる痛みです。性器付近や骨盤の深部が鋭く痛んだり、ひりついたり、月経中の痙攣痛に似ている場合もあります。
原因は多数存在し、それぞれ有効な治療法が異なるので、セックスで痛みがある人は医師に相談しましょう。

性交疼痛症の原因

・腟周囲の皮膚の痛み
タンポンや陰茎が膣に挿入されたときや、座ったり、ズボンをはくときに痛みが生じます。原因としては、炎症や感染の可能性があります(真菌感染、尿路感染、腟の炎症など)。

・腟や周辺の怪我の痛み

・避妊具が正しくフィットしていないことでの痛み

・腟周囲の筋肉の痙攣
深刻な場合は、セックスが不可能なケースもあります。

・腟の乾燥による痛み
セックス中に痛みを引き起こす可能性があります。原因として、閉経やエストロゲンレベルの変化、性交前の前戯の欠如などが考えられます。

・骨盤の深部の痛み
セックス中、「何かがぶつかっている」という感覚になることがあります。

・子宮の怪我の痛み
子宮筋腫が成長している場合や子宮が傾いている場合、子宮が腟まで下りている場合、子宮を損傷する可能性があります。

・卵巣の病気による痛み
特定の体位で痛みを引き起こすことがあります。

・過去の手術での瘢痕の痛み

・膀胱や腸の痛み
腟に近いため、セックス中に痛みを引き起こすことがあります。

・子宮内膜症や骨盤内炎症性疾患による痛み

・精神的な問題による痛み
実際には痛みがない状態になっていても、「セックス=痛い」と思い込んでいると、緊張することで興奮できなくなり、さらなる問題を引き起こす可能性があります。
セックスに対するあなたの気持ちや悩みを、パートナーや医師に打ち明けることが重要です。

ヘルペス

ヘルペスは、ウイルスの一種、Herpes simplex virus: HSVによって起こる、痛みを伴う水疱やびらんの総称で、口唇(こうしん)ヘルペスと性器ヘルペスがあります。

性器ヘルペスの症状は、性器の痛みを伴う痛み、かゆみ、びらんのほかに、排尿痛や腟(ちつ)分泌物およびそけい部の柔らかい塊もみられます。
一部の女性では、まれに子宮頸管上にのみヘルペスができることがあります。この場合は上記のような症状はほとんどまたはまったくみられません。

妊娠または出産時に性器ヘルペス感染症に感染すると、胎児または新生児に脳の損傷や網膜症を引き起こす可能性があります。

性感染症(STI)

コンドームを使用していないなど、無防備なセックスにより感染するのが性感染症(STI)です。
もちろん、回数は関係なく、一度行っただけでもHIVを含むSTIに感染する可能性はありますし、性的パートナーが多いほどリスクは高くなります。

性器に感じられる症状としては、異常もしくは臭いのある分泌物があったり、発疹が見られたりします。その他、生理が不規則になるといった症状もあります。

セックス中に痛みを感じるなど、何かいつもと違うことに気づいた場合は、直ちに診療所に連絡し、STI検査と治療を受けましょう。

おわりに:パートナーとのハッピータイムのために

いかがでしたか? 性交疼痛症などのように、自分自身が感じる痛みが辛いものもあれば、例えばSTIの中でもクラミジアのようにほとんど症状が出ないものもあります。
この場合、放っておけば知らないうちにパートナーに迷惑をかけることもあり得ます。
今後、パートナーとよりよい時間をすごすためにも、何か異変を感じたらすぐに病院を受診しましょう。

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