心の持ち方で体の状態も変わる。孤独が健康に及ぼす影響について

2017/8/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ストレスをためることが体にさまざまな影響を及ぼして病気になることもあるように、心が感じている孤独感が健康に影響することも多々あります。
ここでは、常に孤独感を感じている人が陥りやすい病気についてまとめてみました。

孤独になると人は病気になる!?

人間は群れでの「社会性」を確立することでサルから進化し大きく繁栄をしてきたという考え方があります。そのため、人間は孤独になると不安や恐怖を感じやすいのではないかと主張する専門家もいるようです。実際に、孤独になると不安や恐怖感が増大することでストレスホルモンの分泌が促進され、うつ病に発展するケースも多くみられるといわれています。

このように、孤独と心身の状態は深い関係性があるとされ、孤独感を強く感じたり孤独な状態が長く続くと、摂食障害やアルコール依存症、うつ病などを発症する可能性があります。また、最近注目されている「産後うつ」も、孤独感が原因になることが多いようです。下記で詳しく解説していきましょう。

神経性無食欲症(拒食症)


精神状態によって食欲が旺盛になったり、逆に食欲がなくなったりという経験は誰しもあるでしょう。それがひどくなったときに現れる代表的な症状といえば、「拒食症」と「過食症」ではないでしょうか。
拒食症(神経性食欲不振)は食欲が沸かないのでなく、お腹が空いていたとしても、とにかく食べ物を拒否します。そして自らを飢えさせ、過剰に体重を減少させることに執着し続け、ときには命をも脅かすことがあります。

同じく、孤独な心の状態から「過食症」になる人もいます。過食症とは、過度に食べたり飲んだりしてしまうことです。過食する人は、空腹でなくても短時間に大量に食べます。
健康への影響としては、体重増加です。当然肥満になる可能性も高くなります。

拒食症や過食症は、大きなストレスを感じたりショックを受けたときに、感情をコントロールするための反応として見られる症状ですが、孤独感も原因のひとつであると考えられます。

アルコール依存症


アルコール依存症の原因ははっきりとはわかっていませんが、孤独感や不安、うつ、緊張、自己疑惑または不幸を和らげるために飲酒に走る人が多いといわれています。
家族にアルコール依存症の既往があれば、より発症しやすい傾向にあるようです。そして、男性は女性よりもリスクが高いことがわかっています。

うつ病

うつ病も孤独感から引き起こされる可能性がある病気です。孤独を感じる理由は人それぞれですが、そのひとつは自分の体の状態が変わり、社会から切り離されたと感じてしまうようになったときではないでしょうか。
例えば、妊娠中や産後、閉経後、難聴になってしまったなど、今までの人間関係に変化があったときに孤独を感じると、程度の差はあれ、うつ病を発症することが多いようです。

産後うつ病(PPD)

産後うつ病(PPD)は認識はされにくいですが、出産後の多くの女性が経験するよくある状態です。
社会的孤独(社会に参加していなかったり、つながりを感じられない)を感じてしまう時間が増えてしまうのはわかりますが、あなたは決して1人ではないということを、いつも忘れないようにしましょう。

産後うつと言えば、新しくパパになった男性も出産後にうつ病を発症することがあります。
赤ちゃんの誕生や奥さんの妊娠中に感じたストレス、家族を養わないといけないという責任感などで、ホルモンのバランスが崩れてしまうために起こると考えられています。
実は、新生児のお父さんの4人に1人が産後うつ(PPND)を経験すると言われています。孤独感を覚えたり、自分にかかる期待に押しつぶされそうになるように感じることが多いようです。産後うつになった男性は、自分に厳しくしすぎないでください。よく食べ、休めるときに休んで、体力を落とさないようにしましょう。

おわりに:逆パターンにも注意!

孤独を感じている精神状態が体や行動に及ぼす影響について見てきました。しかし、逆に体の状態が原因となって孤独感にさいなまれてしまうこともあります。
例えば、がんや関節炎などの病気があり、家の外に出たり人に会ったりするのがおっくうになるなどが引き起こす孤独感です。

そこで感じた孤独感が、今度はまた別の病気の原因となる可能性もあります。食事を誰かと一緒に食べに行くなど、楽しいことをして気持ちが落ちないようにしましょう。

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