記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
運動をした後、筋肉痛になったことがある人も多いでしょう。また、「筋肉痛のまま運動をしても良いか?」 など、筋肉痛について疑問を持っている人もいるのではないでしょうか? 今回は運動後の筋肉痛について解説します。
新しい運動を始めたり、運動の仕方を変えしたり持続時間や頻度を上げたりすると、運動後に筋肉の痛みが発生することがあります。これを遅発性筋肉痛 (DOMS) といいます。
筋肉に通常よりも強い負荷がかかると筋肉は痛みや硬直を起こし、筋肉が収縮方向とは逆方向に引きのばされながら力を発揮することで「筋肉痛」が起こるとされています。
筋肉痛は、筋肉が回復して発達する過程の一部です。これは筋力と持久力の増加につながるといわれています。
運動中に筋肉が痛くなることが、たいていの場合、運動後約12時間で痛みを感じます。この痛みは、運動後48時間から72時間でピークに達すとされ、これは遅発性筋肉痛と呼ばれます。 この間、体は筋肉を修復しており、筋肉を強くしていると考えられています。
筋肉の痛みを和らげるには以下の方法があります。
・軽いストレッチ
・筋肉のマッサージ
・炎症を抑えるために氷で冷やす
・筋肉への血流を良くするために温める
・休息する
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
筋肉痛を防ぐ方法として、以下のものがあります。
研究によると、運動する前はストレッチするよりもウォーミングアップする方が筋肉にとって有益であったという結果が出ています。 ウォーミングアップでおすすめな運動は、ジョギング、縄跳び、軽いウェイトリフティングなどです。 ゆっくりと血流を増加させ、筋肉の準備をします。
水は、体温調節と関節の柔軟性の維持、栄養を運搬の役割を担っています。 適切に水分補給していないと、身体はベストの状態で動くことができなくなり、疲労、筋肉痙攣、めまいだけでなく、より重篤な症状に陥る場合があります。
同じ筋肉をトレーニングする時は、48時間程度間隔を開けた方が良いでしょう。 たとえば、走っているときは主に下半身の筋肉を使用するので、 一度走った後は、下半身の筋肉を2日間休ませてください。 筋肉を十分休めないと筋肉は発達せず、むしろ筋肉の損傷してしまう可能性があります。
スポーツジムやフィットネスクラブを利用している人は、トレーニング機材の正しい使い方をトレーナーやインストラクターに教えてもらってください。 正しい使い方をしないと、関節と筋肉に余計な負荷がかかり、ケガや故障の原因となります。
運動後は、ストレッチするのを忘れないようにしてください。ストレッチは、柔軟性を高め、筋肉から血液を循環させて心臓に戻すのに役立ちます。
もう少し挑戦したい、とつい自分自身を追い込みがちですが、運動に関しては徐々にレベルを上げていくことが大切です。ウエイトの重さを上げるペースや、走っている時間を長くするペースを焦って速めてしまうことは、ケガや故障につながります。
運動中に痛みやうずきを感じ、それが72時間経っても治まらない場合は、 以下の方法を試しましょう。
ケガの深刻さに応じて、傷ついた部分を休ませましょう。
氷パック、保冷剤、コールドスプレーなどを使用すると、腫れ、痛み、打撲、および筋肉の痙攣を軽減することができます。 ケガをした後最大3日間はアイシングするようにしましょう。
傷めた部分を圧迫することは、腫れや再負傷を防ぐために重要と考えられています。 ケガの後最低1〜2日間、長くときには1週間以上正しい圧迫処理が必要になるケースもあります。
傷ついた部分を心臓より高い位置まで持ち上げると、腫れが悪化するのを防ぎ、挫傷を軽減するのに役立ちます。 可能であれば、1日2〜3時間程度は持ち上げましょう。
以下の場合は、医師に相談しましょう。
・1週間以上続く筋肉痛
・運動するとひどくなる激しい痛み
・罹患した関節または筋肉の赤み、腫れ、熱
・呼吸困難
・めまい
筋肉痛のまま運動をしてもいいですが、ウォーミングアップ中に不快感を感じることがあります。運動中には痛みが消えるかもしれませんが、運動後に痛みが戻ってくることがあります。痛みで運動が困難になった場合は、痛みが緩和されるまで数日間は運動を控えることをおすすめします。あるいは、痛くない筋肉のみを鍛えるトレーニングに集中し、痛みを感じている筋肉が回復するための時間をつくりましょう。
筋肉痛は、筋肉の調子を整えるためのもので、筋肉が新しい活動に適応しようとしていることを意味します。トップアスリートのように、何年も運動している人でも筋肉痛になるのです。運動を始めたばかりだと筋肉痛に驚くかもしれませんが、筋肉痛は、がんばったあなたへの贈り物です。適度に休息をとりながら、筋肉痛とうまく付き合っていきましょう。