記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
犬は人類のもっとも古い友達といわれています。犬を飼っている人は「ペットではなくもはや家族の一員だ」という方が多いでしょう。しかし、いくら家族の一員といっても、飼うにあたり気をつけるべきことはあります。
今回はとくに、「咬む」という行為と、「寄生虫」への注意事項に関して解説します。
きちんと躾けられた犬であれば、人に咬みつくことはほとんどないでしょう。しかし、恐怖を感じたときや興奮状態になったときは、どんな犬であっても人に咬みつく可能性があります。
どんな人であっても犬に咬まれる可能性はありますが、一般的に咬まれやすいとされるのは子供たちです。乳児や幼児を、犬と一緒に放置しないようにしてください。
自分や家族が飼いたいと思っている犬種についての知識をきちんと身につけておきましょう。犬種についての情報は、獣医と話したり、書籍を読んだり、、インターネットで検索することで得ることができます。
見た目だけで選んでしまいがちですが、犬を飼う環境や犬種の特徴や性格などを見比べながら、じっくりと飼いたい犬種について検討してください。
幼児や年少者がいる場合は、子犬から飼うことをおすすめします。また、子供のいる家庭では、穏やかな性格の犬種を選んだ方がいいでしょう。一般的には去勢した雄イヌは攻撃性が低くなるといわれていますが、これは個体差があり絶対ではありません。
犬に悪気がなくても、躾が行き届いていない飼い始めの頃は、咬むときの力加減がうまく出来ず、人や他の犬にケガをさせてしまう可能性があります。子供、とくに幼児がいる家庭では注意が必要です。付きっ切りで躾ができない場合は、犬の訓練学校に連れていってもいいかもしれません。
そして、犬には、必ず予防接種(ワクチン)と定期的な検診を受けさせましょう。
・挙動が不振な犬には近づかない
・子犬の面倒を見ている犬をかまってはいけない
・迷子の犬がいたら大人に教えること
・犬と一緒に遊ぶときは、常に大人と一緒にいること
・犬をいじめてはいけない
・犬をなでる前には、必ず最初に自分の匂いを嗅がせること
・犬と直接目を合わせない
・犬に近寄られたときは、あわてて逃げたり悲鳴をあげたりせず、できれば「木のように」じっとしていること
・犬に倒されたときは、「丸太のように」じっとしていること
・相手が脅威でないことを理解すれば、犬は去っていく可能性が高いこと
・咬まれたら、すぐに大人に伝えること
犬が病気や寄生虫を運ぶことで、一緒に住む人間が病気になることがあります。ただし、発生は非常に稀なケースであり、基本的なことを守ればほとんどの病気は予防できます。
飼っている犬からの感染を予防するため、下記のことに注意しましょう。
・動物の糞尿などに触れない
もっとも重要なことです。汚れたカーペットを掃除したり、トイレの始末をした直後は手や指の爪を丁寧に洗ってください。
・公園の砂場で、子どもを遊ばせない
近隣の犬猫のトイレとして使われる可能性があるためです。
・キスや食べ物の共有など、口での接触を避ける
・妊娠中の女性や免疫系が弱い人はトイレ掃除や糞便処理をしない
上記でも説明しましたが、予防接種(ワクチン)は必ず受けさせるようにしましょう。犬の健康維持だけでなく、寄生虫や病気のリスクも減少します。
また、家の中のノミ・ダニを防ぐことも重要です。ノミとダニは、犬だけでなく、飼い主を病気にすることがあります。
また、野生動物や迷子のペットから、自分の犬を遠ざけてください。ワクチン未接種の場合や病気を持っている可能性があります。
小さな子供は犬に寄りかかったり、キスしたり、口に指を入れたり、汚れた指を自分の口に入れたりする可能性が高くなります。そのような行動をとらせないように、子供をしっかり見守っていてください。
また、子供は犬との適切な関わり方を知らないことで、咬まれてしまう可能性も高くなります。少しずつでかまわないので、正しい犬との関わり方を子供に教えてあげましょう。
犬は愛情を示せば愛情を返してくれる、人間にとって素晴らしい仲間ですが、間違った接し方をしてしまうと問題が生じることがあります。
犬と一緒にいるとき、どのように行動して、どうのように接してあげればいいのかについて、自分自身が気をつけるとともに、子供に対しても常に話しておくようにしましょう。