記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
毎年たくさんの人が禁煙にチャレンジしていますが、その多くが途中で禁煙を挫折し、喫煙者に逆戻りしてしまいます。
その理由はなんといっても、「離脱症状」。
禁煙を志したことのある人なら、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか?
今回は、禁煙後に現れる離脱症状の具体例や、特にツラい症状への対処法について、2回にわたってお届けしていきます!
「禁煙は初めて」という方も、「昔は禁煙失敗しちゃったけど、今度こそ成功させたい!」という方も必見の内容ですよ。
離脱症状とは、禁煙後に現れる身体的、精神的、感情的な症状の総称です。離脱症状が最も強く現れるのは禁煙後の3~5日間といわれており、このときニコチンが体内から排出され、頭痛、渇望、不眠などの症状が始まります。その後これらの身体症状は薄れていきますが、続いて現れるのが不安感やうつ、イライラなどの精神的・感情的な症状です。こうした離脱症状は、禁煙後1ヵ月が過ぎた頃から軽くなっていくのが一般的です。
離脱症状の苦しさは、これまでの喫煙期間や1日の喫煙本数によって多少異なりますが、ニコチンは強力な作用を持っているため、喫煙歴がほんの数週間の人であっても離脱症状は現れます。ある研究によれば、「禁煙した人の約半数が怒りや不安感、うつなど、4つ以上の離脱症状を経験したことがあった」そうです。
禁煙後の離脱症状の出方には個人差がありますが、身体的には主に以下のような症状が現れるといわれています。
禁煙から1日経過したあたりで、食欲が復活するようになります。セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の量が変化することが原因といわれています。
また、食欲とは関係なく、「タバコを吸っていた時間や口寂しさを埋めるために食べてしまう」という人も多く存在します。このため、禁煙後の最初の2週間で2~5kg増えてしまう人も少なくありません。
通常、軽度のものです。離脱症状として最初に現れ、最初に消えていく症状です。
ニコチンは刺激物なので、気持ちを明るくする作用もあるといわれています。そのため、禁煙後に疲労感を感じたり、また、禁煙によるそわそわ感からの不眠症で疲れやすくなったりすることがあります。
禁煙後、最初の1ヵ月ほど便秘気味になることがあります。
あらゆる離脱症状のうち、これが最も長期間持続する症状です。禁煙後わずか1~2時間ほどで、再びタバコが吸いたくなってきます。この症状は1回あたり15~20分程度のものですが、繰り返し起こるのが特徴です。最初の7日間がピークで、その後も6~7週間ほど続く場合があります。日が経つにつれ徐々に薄れていく症状ではありますが、軽いニコチン渇望は半年程度続くことがあります。
ニコチン渇望が現れたら、下記の方法を試してみてください。
・引き金となるものを避ける
コーヒーやお酒を飲む、喫煙者のそばにいるなど、タバコを吸いたくなる引き金となるものを避けるのは、とても有効な対処法です。
・「喫煙願望は長くは続かない」ということを思い出す
・シュガーレスガムやグミなどを噛む
口に何かが入っていることで、気が紛れることがあります。
・深呼吸する
鼻から深く息を吸い、口からゆっくりを息を吐くのを10回繰り返しましょう。
頭痛や咳などの身体症状は、時間の経過とともに自然と解消されていきます。しかし、ニコチン渇望は多くの禁煙チャレンジャーを挫折に追い込んできた厄介な離脱症状です。ご紹介した対処法を実践して、1回1回の喫煙衝動を乗り越えていきましょう!次回も引き続き、離脱症状に有効な対処法をご紹介していきます。
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