記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/14
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
休暇にキャンプするということは、お金をかけずに遊ぶ最適な方法の一つです。
星空の下で寝ることができたり、自分で準備した食事を食べたり、大自然を楽しんだりと、自由に過ごすことができるキャンプが大好きな方も多いと思います。
しかし、どのようにしたら安全にキャンプを楽しむことができるかを知っておくことが大切です。
キャンプにおいて、火は危険な要素のうちの一つです。キャンプファイヤー、バーベキュー、ガスボンベ、ガスコンロは、どれも安全に取扱うように注意しなければなりません。
以下では火の取扱いで注意すべきポイントをいくつかご紹介します。
・テントを張る前に、その場所をよく見極めてください。理想は、日が暮れる前の手元がまだ見える時間帯に張る場所を決め、ほかの人がどこで火を取扱っているのか確認しておくことです。
・テントを張る際は、ほかのテントから十分に離れたところに張り、万が一テントに火が燃え移ってしまってもそれ以上広がらないようにしましょう。
・キャンプ場の規定をよく確認しましょう。キャンプ場によっては、離す間隔が決まっているところもあります。
・キャンプに行く前に、ガスコンロの使い方を確認しておきましょう。
・テントの中で調理をすることはおすすめできません。耐火性のテントであっても、火が燃え移る可能性はゼロではありません。一酸化炭素中毒の危険性もあります。
・テントの中では、ガスボンベ、石油燃料、変性アルコール燃料を取扱わないでください。火が燃え移る可能性のある液体やガスボンベはテントの外に置くようにし、子どもの手の届く範囲に置かないでください。
・マッチやライターはロックしておき、子どもの手の届く範囲に置かないでください。
・テントの中では、火がむき出しになるようなキャンドルやライターは使用せず、トーチを使用するようにしてください。
・石油燃焼系の物質はテントの中やそばで使用しないでください。
・キャンプ場で定められている火の取扱いに関する規定を確認し、就寝前には必ず全ての火、ストーブ、ガス灯、コンロの火を消すようにしてください。
・キャンプ場の消火施設について必ず確認し、水を確保できる一番近い場所を確認するようにしてください。
・テントの中では煙草を吸わないでください。
・バーベキューセットなどのガス器具の正しい使用方法をよく確認してください。火事や一酸化炭素中毒を防ぐのに重要です。
テントのまわりでよくある事故としては、張り綱に脚を引っ掛けたり、テント用のペグを踏んでしまうといったことがあります。特に夜間は、キャンプ場を歩き回る際はテントから十分に離れて歩くようにしましょう。
・可能であれば、明るい色の張り綱を選ぶか、蛍光タグのついているものを選び、夜間でも目立つように工夫しましょう。
・キャンプに出かける前に一度テントを張る練習をしてみてください。キャンプ場で焦ることもなくなります。
・全ての道具を持ったかどうか、出発の前にもう一度確認してください。忘れ物があると、代わりとなるものを現地で調達しなければならなくなります。
・木のすぐ下や、川の土手のすぐ近くにはテントを張らないでください。
・歩道や車道に張り綱を伸ばさないようにしてください。
・子どもは常に保護者の目の行き届くところにいさせてください。とくにキャンプの初日と最終日は、親がテントを張ったり片付けたりしている隙にどこかへ行ってしまうことがあるので十分に注意してください。
・全員を素早くテントの外に避難させてください。テントに引火してしまうとものすごいスピードで火が燃え広がります。
・服に火がついてしまっても、走り回らないでください。かえって燃え広がってしまいます。地面に横たわり、重い生地(毛布やコートなど)で火をもみ消すか、ゴロゴロと転がってください。
・消防車を呼び、できる限りの位置情報を伝えてください。携帯電話のGPSが機能していれば、自動的に伝わる可能性もあります。
とても楽しいキャンプには、火災や一酸化炭素中毒となるリスクが潜んでいます。今回ご紹介した安全なキャンプ方法を参考にし、楽しい夏の思い出づくりができると良いですね!