禁煙の離脱症状ってどんなもの？緩和するにはどうすればいい？②

精神的・感情的な離脱症状

前回お伝えした身体的な離脱症状と同じく、禁煙が精神や感情にどのような影響を及ぼすかについては個人差があります。一般的には以下のような症状が現れます。

イライラ、焦燥感

禁煙後、自分が短気になったように感じるかもしれません。他人に対する忍耐ができなくなり、いつもより口論することが多くなることもあるでしょう。このイライラは禁煙後の離脱症状のうち特に多く見られるもので、禁煙後1週間でピークを迎え、2～4週間続くことがあります。

不安感

喫煙にはストレスを緩和させる効果があるため、禁煙すると不安感が急激に増したように感じることがあります。この症状は禁煙1日後くらいに現れ始め、3日間でピークを迎え、数週間続くのが一般的です。

イライラや不安感への対処法

イライラや不安感などのマイナス感情を緩和するには、下記の方法がおすすめです。

・一人で静かに過ごせる時間を1日のどこかでつくる
・散歩などの運動をする
・カフェインの摂取量を制限する（コーヒー、炭酸飲料、お茶など）
・マッサージする
・温かいお風呂に入る
・深呼吸や瞑想などを行う

抑うつ

抑うつ状態も、禁煙後に現れることのある精神的な離脱症状です。通常は禁煙後1日目から始まり、1ヵ月程度で消えていきます。うつ病の既往症がない人が禁煙後に深刻なうつ病を発症することは非常にまれですが、既往歴がある人の場合は改善までに長い時間がかかったり、病院を受診する必要が出てきたりするケースがあります。

うつへの対処法

禁煙後のうつ症状を乗り越える方法として、以下のものがあります。

・友達と遊ぶ計画を立てる
ランチを食べに出かけたり、映画やコンサートを観に行ったりなど楽しい計画を立てましょう。

・運動する
運動は心を明るくし、うつ状態を解消するのに有効な方法です。

・深呼吸する

・うつの原因を書き出し、それぞれの解決法を書き出してみる

・（1ヶ月以上うつが続く場合）医師の診察を受ける
うつを緩和してくれる薬の処方について、医師と相談してみてください。

ニコチン代替品を活用しよう！

ニコチンパッチやガムなどのニコチン代替品は、多くの人のニコチンの離脱症状を緩和させ、禁煙成功率を上げている心強い存在です。「禁煙のために服用するのにニコチンが入っていてもいいの？」などと安全性を疑問視する方もいるかもしれませんが、多くの有害物質を含んでいるタバコからニコチンを摂取するよりも、ニコチン代替品からニコチンを摂取するほうが、圧倒的に有害性は低いです。また、長期的にニコチン代替品の使用をしても、深刻な悪影響をもたらすわけではないといわれています。

処方箋や薬局で入手可能なものとしては、以下の2種類があります（医師や薬剤師に相談後、使用するようにしてください）。

ニコチンパッチ

一定の量のニコチンが体内に入る小型のパッチを、毎日皮膚の上に貼るというものです。ニコチンパッチにはさまざまな強さのものがあり、治療にあたっては8～10週間継続して使用するのが一般的です。治療が進むにつれ、ニコチンの量を徐々に少なくしていきます。ニコチンパッチは皮膚に疾患のある方には不適切な場合があるので、医師と相談してから処方してもらうようにしてください。

ニコチンガム

ニコチンガムは、噛んだ後に頬と歯茎の間にガムを置くと、口腔粘膜を通じてニコチンが血流に流れていくというものです。ニコチンを一定量体内に保ち続けるために、1～2時間ごとにガムを1つ噛む必要があります。タバコへの依存度に応じて、服用する量は変化します。顎関節疾患の人や歯科治療中の人は、ニコチンガムでの禁煙は避けてください。また、ニコチンガムの効果を最大限発揮させるために、コーヒー、ジュース、その他の酸性飲料を一緒に摂取しないように気をつけましょう。

おわりに：適切な対処法でタバコ生活に終止符を！

ツラいニコチン渇望で禁煙を挫折してしまう人は非常に多く、禁煙後のイライラや気分の落ち込みといった精神的な離脱症状に耐えられず、タバコ生活に逆戻りしてしまう人もたくさんいます！禁煙を成功させるためには、この記事でご紹介したようにサポートをうまく利用することが大切です。ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。