記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/2/3
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
職場では、長時間のPCでのデスクワークが多い人もいるかと思います。また、急に重い荷物を持つことを頼まれたりして、肩や背中、腰を慢性的に痛めているという人も多いのではないでしょうか? 健康的に仕事をするためにもそうした痛みはなくしたいですよね。この記事ではオフィスでの正しい座り方や、腰痛予防の方法を紹介していきます。
PCの前に長時間座り続けていると、さまざまな問題が蓄積されていきます。座り方・姿勢がどれだけ良くても、一定時間毎に立つことが大切です。30分座り続けたら、1、2分の休憩をとることが推奨されています。 会社でPCを使用している方は、正しく座る方法とその環境を整えることを意識してください。 また、ご自分のデスクや椅子が合っていない、デスクの配置が身体に支障をきたす場合は、上司に職場環境の改善を提案してみましょう。
椅子は高さと、背もたれの位置や角度が調節できなければなりません。背もたれが身体に合わせて自由に動き、快適なことが理想的です。
また、座っているときの脚は身体に対して直角、もしくは多少前に傾斜している状態が望ましいです。
椅子が 適切に調節されているときは足がしっかりと地面に付いているはずです。フットレストを使用するのもよいでしょう。大切なことは、足を床において身体の背部を支えることです。
スクリーンが高すぎたり低すぎたりすると、首を曲げなければならないので、快適とはいえません。スクリーンは身体の目の前なるようにして、ちょうど身体から腕をのばした分のところにモニターを設置して、スクリーンの上のふちが目の高さにある状態がよいです。
スクリーンがギラギラと反射するような状態ができるだけないようにしましょう。頭上の照明や太陽光が反射しないようモニターの位置を調節してください。必要なら窓のカーテンやブラインドを下しましょう。
さらに、モニターの明るさやコントラストを調整するとより一層PCが使いやすくなります。
マウスはできる限り身体の近くに置いて使いましょう。リストレスト付きマウスパッドを使うと、手首をまっすぐに保てるので、下手に捻ったりすることがなくておすすめです。
キーボードを使用していないときはそれを脇にずらして、マウスを身体の近くに寄せましょう。
電話、ホチキスといった頻繁に使用する物は、手の届きやすい場所に置きましょう。身体を繰り返し伸ばしたり捻ったりしなければならない状態は避けましょう。
仕事上、長く電話を使う人は受話器をヘッドセットと交換してみるのもいいかもしれません。受話器を肩と耳の間に挟む行為を繰り返し行ったりすると、首の筋肉に負担を与えることになります。
長時間座り続けることは控え、休憩を取ることも重要です。長い休憩を数回取るよりも、短い休憩を頻繁に取るほうが背中にはよいのです。
立つことによって(筋肉以外に負担が分散されることで)筋肉はリラックスできます。
忙しくて休憩もとれないという人も、仕事の合間にPCから離れて休憩を取れるように工夫してみてください。例えば、飲み物を取りにいく、外の空気を吸いにいく、書類の整理保管を行う、コピーをとりに行くといったことでできるはずです。
デスクワーク以外で背中を痛める原因として、荷物の上げ下ろしや持ち運びによるものがあります。これは荷物を適切に扱うことで背痛を防げます。 安全な荷物の持ち運びのコツは以下のとおりです。
・安定した姿勢で動作に移る
・荷物は腰の位置で運ぶ
・できる限り背中はまっすぐにする
・背中をひねったり左右に傾けたりしない
・重たい荷物を持ち上げるのは避ける
・重たい荷物は押して動かす(引っぱらない)
大抵の場合は、身体をよく動かすことが自分でできるものとして最適です。必要ならば、痛み止めも使用しましょう。ベッドに横になりたいと思うかもしれませんが、悪化につながります。動いていない状態が長く続けば続くほど、背筋は弱くなる一方で、どんどん痛みが増していきます。
また、意識や思考の状態もまた重要です。研究によれば、ポジティブな人はうつっぽい人に比べて早く回復する傾向があるようです。
これらを意識して明日からの仕事に生かしてみてください。ガマンできないという場合は病院に行って治療をうけましょう。背中の痛みが6週間以上続く場合は、一般的な治療法として痛み止めの使用と、鍼療法あるいは按摩の混合治療などが行われます。