記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ストレスから突然の腹痛、止まらない下痢、トイレから出られない状態が続き、それが頻繁に起こる……。そんなことはありませんか?
それって、もしかしたら過敏性腸症候群(IBS)かも知れません。
この記事では2回に分けて、IBSについてまとめました。1回目は、その症状や起こるきっかけなどを中心にみていきます。
一般的な症状として、腹部の痛みや不快感、排便の頻度の多さや便の状態の変化などがあります。
IBSの痛みや不快感は繰り返すことが特徴です。直近の3ヶ月間で1ヶ月あたり3日以上にわたり腹痛やお腹の不快感が繰り返され、以下のうち2つ以上の症状が見られるとIBSと診断される場合があります。
・排便後に痛みや不快感が改善される
・排便回数が変化する
・便の見た目が変化する
IBSは通常長時間症状が続き、何年も続くことも少なくありません。しかし、症状は出たり出なかったりします。IBSの中には下痢症状がメインのタイプと、便秘症状がメインのタイプがありますが、両者が交互に現れたり、ミックスされたタイプも存在するため症状は多岐に渡ります。
IBSの他の症状には、以下のものがあります。
・腹部の膨満感
・排便後の残便感
特定の食べ物や飲み物はIBSの症状を引き起こす可能性があります。
これらトリガーは人によって異なりますが、一般的には次のものがいわれています。
・アルコール
・炭酸飲料
・チョコレート
・紅茶、コーヒー、コーラなどのカフェインを含む飲み物
・脂肪または揚げ物
食べ物の記録をつけることは、食生活の可能性のあるトリガーを特定するのに有効な方法です。
ストレスは、IBS症状のもう1つの共通の引き金です。したがって、ストレスの多い状況を管理する方法を自分なりに持っておくことはIBSとうまく付き合うためには大切です。
ストレスはIBSの引き金になりますが、これはIBSが心因性の疾患であるという訳ではありません。あくまで腸や脳から腸へつながる神経の働きなどに器質的な異常があると考えられています。
ただし、ストレスや不安などの激しい感情の状態によって、消化器系の正常な働きを妨げる変化が起き、症状が増悪することがあるということです。
これは、IBS患者だけに起こることではありません。IBSの基準に当てはまらない人であっても、重要な試験や面接などのストレスの多い状況に直面したときに、突然の腹痛や下痢を起こすことがあります。
突然の下痢などの症状は、ストレスや食べ物などから引き起こされます。記事の中にあるように、食べたものを記録したり、ストレスとうまく付き合う方法を見つけることが大切ですね。
IBSのトリガーを回避することで症状を出ないようにすることもできるかもしれません。
次回の記事では、IBSの原因についてもう少し詳しくみていきます。
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過敏性腸症候群(IBS)の原因となりそうな体内のしくみを探る