スポーツを楽しむポイントー障害があってもアクティブに

2017/3/14

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

障害がある人や、病気が長期化している人が健康を維持するため、楽しく暮らしていくためには、スポーツを行うことが重要です。障害や病気でできる活動に制限があっても、スポーツが楽しめないわけではありません。
この記事ではスポーツを楽しむためのポイントを解説していきます。

日常生活に運動を取り入れる

健康のためには、有酸素運動や筋力トレーニングをするのがおすすめです。一週間に最低150分間の運動と、二日以上の筋力トレーニングを目安に行ってください。
ですが、すぐにこの目標を達成しようと思わずに、できるところからはじめていきましょう。目標を達成しようと頑張る必要はありません。少しのことでも効果があります。
ここで一番重要なのは、自分自身がちゃんと楽しめるようなことをするということです。

ご自分の活動量を増やすために一番取り掛かりやすいのは、通勤や買い物、友達と会うなどといった日常生活の狭間に運動を組み入れていくということです。
以下を参考にして日常生活での運動シーンを増やしていきましょう。

・通勤や買い物に行く際に歩く機会を増やす、もしくは自転車を使う
・最寄り駅より一つ手前駅で降りる
・車で通勤する場合、オフィスからなるべく離れた駐車場に停め、残りの距離を歩く。もしくは自転車で行く
・友達とカフェでお茶する代わりに、一緒に散歩をしたりサイクリングに行く
・仕事の前後や昼休みに運動する
・ガーデニングなどの適度な運動
・テレビの前でエクササイズ
・オンラインのトレーニングプログラムに参加する

障害のある人の運動

障害のある人が運動を行う際には、以下のポイントを意識して行ってください。

・歩く
歩くことは活動量を増やすには最適な方法です。歩くことができる場合は、日常生活において、歩く習慣を付けましょう。
友人を誘ってみたり、モチベーションをさらに上げたい場合はウォーキングを行う団体に所属してみてください。

・サイクリング
二輪車の自転車に乗ることができない人のために、三輪車、四輪車、ハンドサイクルと呼ばれる手で動かすことのできる自転車、電動アシスト機付き自転車があります。

・フィットネスクラブのプログラムに参加する
フィットネスクラブで実施している、筋力トレーニングとストレッチに関する初心者向けのプログラムに参加し、体力と柔軟性を高めましょう。
※車椅子に乗っている人には適しません。

・短時間の運動を1日に何度も行う
一日のなかで運動の時間を細かく分散させてみましょう。たとえば、一度に行う時間を10分程度に設定します。この10分間トレーニングを試してみてください。
また、自分に一番最適な運動は何かについて、医師や同じ障害を持つ人を支援する団体に相談してみてください。

・ヨガ、ピラティス、太極拳
ヨガ、ピラティス、太極拳などは、身体に無理が少ない運動であり、障害のある人にも適応しています。
いづれも、はじめる前には必ずインストラクターのアドバイスをもらうようにしてください。
特に、身体的な障害がある場合、障害に適していない運動は危険な場合がありますのでご注意ください。

・水泳
身体的な障害がある場合、水泳は、水が体を支えてくれるため、比較的自由に動くことができます。市営プールなどでは障害のある人向けのクラスが開催されていますので、お住いの地域で探してみてください。

・障害者スポーツ
障害のある人も、健常者とほとんど変わらないルールでスポーツを楽しむことができます。
ブラインドサッカーなど、障害のある人が参加しやすいように、障害者スポーツの一つとして確立されているものもあります。

障害者スポーツ一覧

・釣り
・アーチェリー
・陸上競技
・バドミントン
・ボウリング
・サイクリング
・ダンス
・サッカー
・フェンシング
・ゴルフ
・体操
・乗馬
・空手
・漕艇
・セーリング
・射的
・ウィンタースポーツ
・水泳
・卓球
・テニス
・バレーボール
・ウォーキング
・車椅子バスケ
・車椅子ラグビー

おわりに :充実した毎日を送りましょう

健康を維持すためには、やはり身体を動かすことが重要です。運動を生活に取り入れることで健康だけではなく、ストレス発散もできて精神的にもよい影響があります。
そして何よりも楽しんで行えるため、自分にあったスポーツを見つけて充実した毎日を過ごしてください。

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