人工甘味料「アスパルテーム」は血糖値や肥満の悪化に影響するの?

2017/6/22 記事改定日: 2020/3/12
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

人口甘味料「アスパルテーム」は、砂糖の200倍の甘さを持つとされながら、カロリーはほとんどないため、ダイエットや血糖値のコントロールなど幅広いシーンで使われています。健康への悪影響がないとされていますが、それは本当でしょうか?アスパルテームについて詳しく解説していきます。

人口甘味料「アスパルテーム」とは

人口甘味料は、化学的に合成された天然に存在しない甘み成分です。砂糖よりもカロリーが低く、加工食品をはじめ低カロリー飲料や低カロリー食品など、幅広く用いられています。

アスパルテームはポピュラーな人口甘味料です。アスパラギン酸とフェニルアラニンの2つのアミノ酸の組み合わせからなり、砂糖の約200倍の甘さをもちます。
熱に弱く、加熱すると甘味が損なわれるという特徴があり、 ヨーグルト、冷凍デザート、プリン、ガム、ソフトドリンク、ガムシロップや咳止めなどの医薬品と、幅広く使用されています。

アスパルテームは安全!?

1981年、米国食品医薬品局(FDA)の審査によって、アスパルテームの安全性が認められました。 国立がん研究所においても、アスパルテームやその他の人口甘味料は、適度に使用する限りは「がん」などの重大な影響をおよぼすことはないという 解釈がなされています。

ただし、妊娠中の摂りすぎには注意が必要であり、フェニルケトン尿症(PKU)を患っている人は、アスパルテームに含まれるアミノ酸を代謝することができないため、摂取を控える必要があります。 アスパルテームの摂取が健康に影響していると懸念される場合は、主治医に相談しましょう。

アスパルテームは本当に血糖値に影響しない?

アスパルテームを始めとした人工甘味料は甘みがありながら、低カロリーで血糖を上昇させないと考えられてきました。しかし、近年の研究では、これらの人工甘味料でも糖尿病発症のリスクになる可能性が高いという研究結果が発表されています。

これは、人工甘味料が腸内細菌のバランスを崩して血糖を上昇させることや、味覚が鈍くなることで摂食行動に異変が生じて肥満になりやすくなることなどが原因と考えられています。

このように、人工甘味料は過度な摂取を続けると糖尿病を発症する可能性がありますので注意が必要なのです。

アスパルテームを摂りすぎると太りやすくなるって本当?

アスパルテームのような人工甘味料はカロリーが少ないものの、日常的に過剰摂取を続けていると太りやすくなる場合があります。

私たちの体は、本来食べ物や飲み物によって甘みを感じると、血糖が上昇する仕組みになっています。しかし、人工甘味料ではこのような反応が生じないため、血糖値が不安定になることでエネルギーをより多く摂取しようと食事量が増えたり、甘みに対する慣れによってより甘みのある糖質を多く摂取するなどといった食行動の異常が生じる可能性があります。

また、ホルモンの分泌バランスが崩れることも太りやすくなる原因として考えられます。人工甘味料の過剰摂取を続けると、インスリンという血糖値を下げる働きをするホルモンの分泌や働きが低下して脂肪が蓄積しやすい状態になったり、満腹ホルモンのレプチンが多量に分泌されることでやがて満腹中枢に強い刺激が加わらなくては満腹と感じられなくなって食事量が増えてしまうことなどが挙げられます。

アスパルテームの1日の摂取量の目安は?

アスパルテームはカロリーを抑えつつ、料理に適度な甘みをプラスすることがきるため、ダイエットなどによいとされています。しかし、上でも述べた通り、過剰摂取は肥満など様々な健康被害を引き起こすと考えられています。

そのため、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、1日あたりのアスパムテール摂取推奨量を「体重1㎏あたり50㎎まで」と定めています。ダイエット・コーラ350ml缶でも185㎎程度のアスパムテールしか含まれていませんので、体重70㎏程度の人なら一日に約20本ほど量になります。

通常の生活をしていればアスパムテールを摂りすぎてしまうということはまずありませんが、食事や飲み物すべてをアスパムテールが使用されたものにするのはおすすめできません。適度な使用を心がけるようにしましょう。

おわりに:アスパルテームが血糖値に及ぼす影響については今後も研究が必要。摂りすぎには注意しよう

アスパルテームは甘さが強く低カロリーなため、甘いものへの欲求ががまんできない人にとって非常に助けになるでしょう。しかし、いくつかの研究では、人工甘味料は砂糖への欲求を高め、ダイエットを難しくさせる可能性があることが指摘されていますし、血糖値の上昇に影響する可能性があることが指摘されています。

ほどほどに利用する分には問題ないでしょうが、摂りすぎは厳禁です。バランスの良い食生活を心がけ、甘いものは少しずつ減らす努力をしましょう。

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