安全にキャンプをするための注意点について

2017/6/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

キャンプは誰にとっても楽しいイベントになるはずです。豊かな自然にふれ、夜は満天の星空の下で眠り、子供たちには未知の体験もたらすでしょう。そのためには、安全にキャンプを営む術を身につけなければなりません。安全にキャンプを楽しむ方法をご紹介します。

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キャンプのための荷造りのヒント

キャンプ場の天気は変わりやすいため、あらかじめ予備の着替えを用意しておきましょう。夜は気温が下がりますので、防寒具を用意は忘れないようにしてください。キャンプ生活で過ごす時間の大半は屋外です。ケガしたときのための救急箱や日焼けどめも持っていきましょう。トーチは最低一つあると便利です。また、 キャンプに出かける前に、一度テントを張る練習をしてみることをおすすめします。すべての荷物がそろっているか、出発の前にもう一度確認してください。

テントを安全に張る

テントを張るときは、辺りの状況をよく確認し、キャンプ場のルール、消火設備、水場の位置を把握しましょう。
テントのまわりでよくある事故としては、張り綱に脚を引っ掛けたり、テント用のペグを踏んでしまうことがあります。特に夜間は注意が必要です。可能であれば、明るい色の張り綱や蛍光タグのついているものを選び、夜間でも目立つように工夫しましょう。その他、木のすぐ下や川の土手のすぐ近くにテントを張ると危険なので、張らないようにしてください。

キャンプ場での火の取り扱い

キャンプ生活で最も怖いのは、火に関するトラブルです。いちど山火事を起こしてしまうと、自分たちの手に負えるものではなくなってしまいます。キャンプファイヤーやバーベキューで、ガスボンベなどを使うときは、くれぐれも安全に取り扱うように注意しましょう。

万が一テントに火が燃え移ってしまってもそれ以上広がらないように、テントを張るときは他のテントとの距離を十分に確保してください。キャンプ場によっては間隔が決められているところもあります。 就寝前には必ずストーブ、ガス灯、コンロなど全ての火が消えるのを確認しましょう。

テント内では火を絶対に使わないようにし、雨のときでも調理は必ず外で行いましょう。耐火性のテントでも燃え移るおそれがありますし、一酸化中毒の原因にもなります。タバコも絶対に吸わないでください。また、ライターやコンロなどを子供が不用意に持ってしまわないように注意しましょう。灯りは火がむき出しになるようなキャンドルやライターではなく、カンテラを使用することをおすすめします。

テントの中で火災が発生してしまったら

テントに引火してしまうと、ものすごいスピードで火が燃え広がります。 ただちに全員をテントの外に避難させましょう。服に火がついてしまっても、むやみに動き回らないでください。草木に燃え移ると二次災害を引き起こすことがあります。まわりに燃えやすいものがないことを確認して、地面に横になって、毛布やコートなどの厚手の生地をかぶせるか、ゴロゴロと転がって火を消すようにしましょう。そして、消防車を呼び、できる限り正確な位置情報を伝えてください。携帯電話のGPSが機能していれば、自動的に伝わる可能性もあります。

おわりに:自然の中での慢心は禁物

キャンプは健やかで楽しく過ごす絶好のチャンスです。しかし、安全が行き届いた家庭生活と違い、虫やヘビに刺されたり、不安定な道での事故、不注意による火事など、予期しないトラブルに見舞われる可能性もあります。十分に注意しながら、すてきな思い出を作りましょう。

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