赤ちゃんの「オムツかぶれ」は避けられないのか?

2017/8/21

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

赤ちゃんの成長に欠かせないオムツ。吸水性や通気性に優れたものも多数登場しています。
しかし、オムツは便利であると同時に赤ちゃんの「オムツかぶれ」を引き起こす原因のひとつです。

すべすべの肌に赤みや発疹ができていると、かわいそうで早く治してあげたくなりますよね。
この記事では、そんな「オムツかぶれ」の原因と治療・予防法をご紹介します。

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「オムツかぶれ」とは

赤ちゃんのおしりや性器周辺、太ももなどにできる赤みおよび発疹です。
主にぬれたオムツによって起こりますが、多くの場合は家庭で簡単に治療できます

初めて赤ちゃんのお尻に赤い発疹を見つけたときはびっくりするかもしれませんが、オムツかぶれは赤ちゃんには珍しいことではありません
生後4~15ヶ月までのオムツをしている赤ちゃんの半数以上が、最低数ヶ月に一度はオムツかぶれが起きると言われています。
また、中にはオムツをしている期間はずっとかぶれが見られる赤ちゃんもいます。

どうして「オムツかぶれ」になるの?

「オムツかぶれ」の原因は、皮膚が擦れたり、あまりにもぴったりとしているおむつで肌が刺激されることです。
濡れて汚れているおむつを長時間つけっぱなしすることや、おむつを洗うのに使われた石けん、使い捨ての紙おむつ、お尻拭きなどによっても刺激されます。

また、おむつカバーの利用は、おむつの中の温度や湿気を上昇させ、その熱と水分によって発疹や細菌の成長を助長する要因になってしまいます。
さらに、母乳育児中に抗菌剤を服用していたり、赤ちゃんが抗菌剤を服用しているときにもオムツかぶれが起こりやすいといわれています。

「オムツかぶれ」を治すためにできることは?

発疹の治療には、新しいオムツをつける前に赤ちゃんのお尻を空気に触れさせる時間を延ばすことが効果的です。
防水のパッドや布オムツ、タオルなどを敷き、そこで赤ちゃんを遊ばせましょう。

また、お尻拭きを使わないこともおすすめの方法です。
代わりにぬるま湯や綿ボール、柔らかい手ぬぐいなどでお尻を拭いてあげてください。

赤ちゃんの食事を見直すことも大切です

離乳食が始まり食事のバリエーションが増えてくると、排泄物による肌への刺激も増してきます。
たとえばジュースのあげ過ぎは作り出される尿の量や、便のpH値(酸性度)に影響し、どちらも発疹の発生の原因になり得ます。
柑橘系の果物も腐食性の便を作り出しやすいため多量摂取には注意が必要です。

「オムツかぶれ」を防ぐには

オムツかぶれ予防のために、以下の方法を試してみましょう。

・オムツを頻繁にチェックし、交換する
・新しいオムツを着用する前に赤ちゃんの肌を完全に乾燥させる
・布おむつは刺激の少ないな石けんで洗う
・香料やアルコールを含んだおしり拭きや石けんを避ける
・酸化亜鉛軟膏または石油(ワセリンなど)を含む製品を選ぶ
・プラスチック製のズボンやプラスチック製のおむつカバーは使用しない
・入浴後はタオルでこすらずに軽くたたいて赤ちゃんのおしりを乾かす
・症状が長く続く場合は使用しているネイル、オムツ、石けんを変える

布おむつを使うべきか、使い捨ての紙おむつを使うべきかについては様々な意見がありますが、最も重要なのは頻繁におむつを交換し、清潔な状態を保つことです。

おわりに:「オムツかぶれ」から赤ちゃんの肌を守るには

初めて赤ちゃんの肌に発疹ができているのを見ると驚くかもしれませんが、「オムツかぶれ」は珍しいことではありません。
日ごろから赤ちゃんのオムツの状況や肌の状態を把握し、オムツの中を清潔且つ乾燥した状態保つことを心がけましょう。

ただし、症状がひどい場合や長期化している場合は医師に相談してください。

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