ペットが原因で病気に?寄生虫の予防方法とは

2017/6/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ペットが原因で病気にかかることがあります。犬、猫、鳥、爬虫類などのペットが病気や寄生虫を運び、あなたが病気になることがあります。幸い、発生は非常に稀で、基本的なことさえ守ればほとんどの病気は予防できます。今回は、ペットと寄生虫に関してご紹介します。

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ペットによる病気を予防するためにできること

最近は動物を媒介する感染症が増えてきています。

ペットによる病気を予防するためにできることを以下にまとめました。

動物の糞尿などの老廃物にふれない

最も重要なことです。汚れたカーペットを掃除したり、トイレの始末をした直後は手や指の爪を洗いましょう。

公園の砂場で、子供を遊ばせない

砂場は、近隣の犬猫のトイレとして使われる可能性があるためです。

ペットと口の接触を避ける

ペットとのキスや食べ物の共有などしないようにしましょう。

妊娠中の女性は、猫のトイレ掃除や糞便処理をしない

胎児に重度の先天異常を引き起こす、トキソプラズマ症にかかる可能性があります。
トキソプラズマは、トキソプラズマ原虫と呼ばれる寄生虫によって引き起こされる感染症で、主に動物の糞や生肉に生息しています。妊娠中にトキソプラズマに感染する女性は非常に少なく、深刻な先天性トキソプラズマ症を持って生まれてくる赤ちゃんは1万人に一人と言われていますが、感染しないように注意が必要です。以下にトキソプラズマについて解説します。

症状

感染していても、症状が出ない人がほとんどですが、微熱、リンパ節の腫れ、軽い疲労感、発疹などの症状が見られる場合もあります。

どの程度影響を受けるのか

トキソプラズマによる母体への影響はほとんどありません。また、母親がトキソプラズマに感染した場合に胎児に感染するリスクは15%程といわれています。感染が妊娠初期に近ければ近いほど胎児に感染するリスクは低くなりますが、感染した場合は症状が深刻になる可能性が高いといわれています。

妊娠後期に感染すると、胎児に感染するリスクは高くなりますが、症状はそれほど深刻でないことが多いです。トキソプラズマに感染した胎児は、視力や聴力に障がいが残ったり、発達障がいを抱える可能性もあります。

予防方法

おなかの赤ちゃんをトキソプラズマから守るのに最適な方法は、自分が感染しないように予防するということです。予防方法を以下にまとめました。

・寄生虫は猫などのペットの糞にも生息している可能性があるため、妊娠中はペットの糞の処理は控える
・生肉や十分に調理されていない肉を食べたりペットに与えることもしない
・生卵や低音殺菌されていない牛乳などもなるべく控える
・野菜や果物も、食べる前は必ず洗い、皮を剥いて食べる
・食べる前にはよく手を洗い、生肉を切ったまな板や食器は丁寧に洗う
・ガーデニングなど、土いじりをするときは、手袋をする
トキソプラズマにかかったと思われる場合は、病院を受診し検査を受けましょう。検査の結果が陽性の場合、抗生物質を飲んで、赤ちゃんに感染するリスクを減らします。

ペットの寄生虫を防ぐために

ペットの寄生虫を防ぐためにできることは以下のとおりです。

ワクチン接種を受ける

獣医師のすすめる方法に従って、ワクチン接種を受けましょう。ペットの健康維持だけでなく、寄生虫や病気のリスクも減少します。

ノミ・ダニを防ぐ

ペットや家の中のノミ・ダニを防ぐことが重要です。ノミとダニは、ペットだけでなくあなた自身まで病気にすることがあります。

生肉を与えない

ペットに生肉を与えないようにしましょう。生肉を通じて、猫がトキソプラズマ症の寄生虫を保有することがあります。また、野生動物や迷子のペット(ワクチン未接種か病気を持つ可能性があります)から、自分のペットを遠ざけましょう。

おわりに: 妊娠中や免疫力の弱い人は注意しよう

最近ではペットを飼う人も増えており、ペットが原因で病気にかかるリスクが懸念されます。かわいいペットから病気をもらわないように、寄生虫を予防することを心がけ、妊娠中や、免疫力の弱い人は特に気をつけることが大切です。

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