子どもが糖尿病になったら…Ⅰ型糖尿病の場合

2017/3/14

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

子どもが糖尿病と診断された場合、将来について大きな不安や絶望を感じるかもしれません。しかし、糖尿病になったとしてもその課題を支援してくれる医療体制があります。この記事では、子どもが1型糖尿病と診断された場合に親の方に知っておいてもらいたいことを説明していきます。

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子どもの糖尿病の大半はⅠ型糖尿病

糖尿病を発症する子どもの大半は1型糖尿病です。これにかかると身体がインスリンを産生できないため、定期的なインスリン注射が必要になります。

子どもが糖尿病と診断されたら、当然、気が動転したり不安になったりしますよね。でも、糖尿病になってしまっても、子どもの自由を奪ったり、普通の家族生活をあきらめたりする必要はありません。

日常生活の一部として、子どもの健康管理を注意深く行っていくことが重要になってきます。

糖尿病治療チームの支援をうける

子どもが糖尿病と診断されたらすぐに、子どものために専門の糖尿病治療チームを紹介してもらいましょう。

子どもは入院した病院または自宅で、このチームからケアを受けることになります。血糖検査からインシュリン投与の方法、食事、運動にいたるまで、病気についてのあらゆることを教えてもらうことができます。

糖尿病ケアチームは、以下の医療職で構成されます。

・糖尿病を専門とする小児科医
・小児糖尿病専門の看護師
・小児栄養士
・小児心理学者

支援の内容は?

自宅で行う血糖値検査のための指導や栄養士による食生活の指導、必要に応じて、ケアチームは、学校や保育園での生活についても話し合いが行われます。

子どもが5歳未満の場合、チームはインスリンポンプシスムを使用してのインスリン治療を行う場合もあります。最初は大変そうに見えますが、適切に幼い子どもにインスリンを与える方法です。

子どもの心理状態は?

診察結果を受けて、子どもの感情にどのように影響を及ぼすかが重要になります。診断された当初はショックを受け、怒り、考えを拒否することが大いに考えられますが、徐々に受け入れられるようになってくるはずです。

どうしても不安な場合は、親として、またはご自身の気持ちや子どもの心理について、心療内科医やカウンセラーと話すといいかもしれませんね。

最初の数ヵ月は?

退院後も糖尿病ケアチームとは定期的に連絡を取り合います。この段階では、子どもは1〜2週間ごとに病院に行きます。どのような生活を送っているかなどの質問に答えます。

親も子どもも、最初は糖尿病の生活に適応するのが難しく感じるかもしれません。例えば、家族の食生活を変えなければならなかったり、子どもが自分の友だちと違うことを心配したりするかもしれませんし、血糖検査とインスリン注射の習慣に慣れる必要があります。

ですが、これらのことすべては、時間の経過とともにに苦にならなくなるはずです。質問や不安がある場合は、遠慮せずに医師やケアチームに連絡すれば答えてくれます。

状態が安定すると

時間の経過とともに、親は子どもの糖尿病を管理することに慣れてくるでしょう。このころには、食べ物や運動が子どもの血糖値にどのように影響するか、インスリンでこれをどう管理するのか理解できるようになっています。

子どもの血中グルコースレベルがあまりにも低下し、震え、発汗、疲労、頭痛または行動の変化などの症状があるときは、低血糖だとわかるようになってきます。病院では低血糖症やその他の状況を予防し、治療する方法を教えてもらうことができます。

いったん状態が落ち着けば、通院ペースは3ヵ月に1回になるでしょう。

12歳から、少なくとも年に一回は包括的な健康診断を受診することが必要になってきます。健康診断で、子どもは目、足、循環および腎臓の損傷の兆候がないか検査されます。

子どもの年齢が上がるにつれて、自分の状態を管理する方法を教わるために、ケアチームと協力することが重要です。

徐々に糖尿病を抱えて大人になっていくことに慣れるように、子どもと自分の気持ちや懸念事項について話し合うようにしましょう。

思春期を迎えたら大変?

学校や大学では非常に多くの活動があるため、子どもが決まった治療法に従わないで、インスリン注射をし忘れたり、食べてはならない食べ物を食べるといった間違いをおかしてしまっても驚くことではないです。

また、これに対して一日中監視しようとするのは自然な親の反応ですが、やりすぎてしまうと子どもの成長感を損なう可能性でてきますので注意が必要です。一部の専門家は、子どもの自立心を育て、大人と対等な立場で状態を話し合うことを勧めています。

また、10代の子どもは、過剰な喫煙と飲酒が糖尿病の症状が悪化させる可能性があることも理解することが重要になってきます。

10代の妊娠と糖尿病

1型糖尿病の女性は、妊娠中に合併症をおこすおそれががあります。そのため、妊娠は慎重に計画しなければなりませんが、性的に活発で妊娠を望んでいない10代の女子に、避妊方法を教えることは非常に重要です。

おわりに:親子の話し合いがポイント

Ⅰ型糖尿病は、適切な治療や支援を受け、合併症に注意しながら状態を管理していくことで、同年代の子どもたちとほとんど変わることなく健康に成長することができます。親子で話し合いながら協力して暮らしていきましょう。

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