貧血改善の食べ物って、プルーン以外にどんなものがある?

2017/6/26 記事改定日: 2018/4/5
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

貧血になると、体内の酸素を運ぶ赤血球が不足するので、突然フラッと立ちくらみが起きたり、めまいがしたりします。貧血の原因や重症度によって異なりますが、食事療法で貧血を改善できることもあります。この記事では、食べ物で貧血を解消するのに役立つ情報をまとめました。

貧血に効く食べ物、プルーン以外に何がある?

貧血に効果がある食べ物として、プルーンを思い浮かべた方も多いかもしれません。プルーンは鉄分を多く含む食べ物として有名ですが、一般的に、人間の体は野菜よりも肉のほうが鉄分を吸収しやすいようにできています。このため、貧血の治療をする上では、鶏肉や豚肉、魚介類よりも赤身肉(牛肉やレバー)を摂取したほうがよいと言われています。

ヘム鉄と非ヘム鉄

鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があるのをご存知でしょうか。ヘム鉄はレバーや赤身肉など動物性食品に多く、非ヘム鉄はひじき、ほうれん草、納豆に多く含まれます。非ヘム鉄の吸収率は2~5%に対し、ヘム鉄の吸収率は15~25%となっています。

ところで、赤身肉やレバー以外で鉄分を多く含む食べ物として、以下のものがあります。

  • ホウレンソウなどの緑色の葉物野菜(蒸し料理がおすすめ)
  • 豆腐
  • 豆類
  • ドライフルーツ(レーズン、アプリコットなど)

 

鉄分が豊富な食べ物を摂取するときは、ビタミンCやビタミンB12、葉酸を含むものを一緒に食べると、鉄分の吸収率を高めることができます。

貧血にチョコは効く?

貧血に効果がある食べ物として、カカオも含まれています。カカオを加工したものがチョコレートなので、チョコレートも貧血に効果があると考えられます。ただ、貧血にいいからといってたくさん食べてしまうと、カロリーの摂りすぎや食生活のバランスが崩れやすくなるので、少しずつ食べましょう。

貧血改善を助ける、ビタミンCが多い食べ物は?

ビタミンCは、鉄分の吸収を促進するため貧血の改善をうながしてくれます。卵や朝食用のシリアルなど、鉄分が豊富な食べ物と一緒にオレンジジュースを1杯飲むだけでもビタミンCを補給できます。

そのほか、ビタミンCが豊富な食べ物として以下のようなものがあります。

  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • レモン

貧血改善を助ける、ビタミンB12が多い食べ物は?

ビタミンB12は、下記の食べ物から摂取することができます。

  • 牛肉、レバー、鶏肉、魚
  • 卵や乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
  • 大豆飲料

 

ただし、ビタミンB12が不足している場合、食事だけで必要量を補うことが難しいため、ビタミンB12の投与が必要になることが多いです。

貧血改善を助ける、葉酸が多い食べ物は?

葉酸は、食べ物に含まれるビタミンBの一種です。葉酸は貧血になるのを防ぐのはもちろん、妊娠中の女性にとっては胎児がすこやかに成長するのを助ける栄養素でもあります。

葉酸の摂取に効果的とされる食べ物として、以下のようなものがあります。

  • ホウレンソウなどの緑色の葉野菜
  • 乾燥豆
  • 牛のレバー
  • バナナやオレンジなどのフルーツやフルーツジュース

サプリメントや鉄強化食品の摂取もおすすめ

いくら食べ物に気をつけていても、食事で1日に必要な鉄分をすべて補うのは難しいと思います。そのようなときは、サプリメントや鉄強化食品の摂取をおすすめします。ただし、全てをサプリメントなどに頼ることはやめましょう。

貧血の人が食事で気をつけることは?

鉄分の吸収を良くするためには、胃酸の十分な分泌が必要です。早食いは控え、よく噛んで食べるようにしましょう。また、楽しく食べることも胃酸の分泌を促します。

ただし、コーヒーや紅茶などに含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げます。食事中はもちろん、食後に飲むのも控えてください。

貧血になるのはどうして?

血液中の赤血球が不足すると「貧血」になります。貧血になると、めまいやふらつき、疲労感、体力低下、息切れ・心拍数の増加といった症状がみられます。

貧血を引き起こす原因にはさまざまなものがありますが、中でもよくみられるの慢性的な失血(過多月経、消化性潰瘍、大腸癌、胃炎など)が原因の貧血です。このほか、妊娠中の女性(お腹の赤ちゃんの成長のために、鉄分を大量に必要とします)や、幼少期あるいは思春期の急速な成長期を迎えている子供も、鉄欠乏性貧血になりやすいと言われています。

貧血改善のために鉄材を服用する場合

貧血の症状が重い場合、内科を受診して、鉄剤を服用して貧血を治療することがあります。鉄剤を服用すると、人によっては、胃の不快感や吐き気、下痢、便秘、黒色便を引き起こす場合があります。

鉄分は、空腹時に摂取したほうが効率よく吸収されると言われていますが、もし気分が悪くなるようでしたら、食後に服用したほうがいいかもしれません。服用中に体調の変化が続くようでしたら、かかりつけの医師に相談してみてください。

なお、鉄分の服用時は下記の点に注意が必要です。

  • 制酸薬やテトラサイクリン(抗生物質の一種)を服用後2時間以内に服用しない
  • 特定の食べ物、化学薬品、栄養物と一緒に服用しない(紅茶、コーヒー、チョコレート、その他のカフェイン飲料、牛乳やその他のカルシウムを多く含む食品やサプリメント、全粒粉、ナッツ、生の緑野菜などの食物繊維が豊富な食品)

 

また、医師に相談せずに鉄剤を服用するのは控えましょう。鉄分不足が腸内出血によるものだった場合、鉄剤の服用によって出血性潰瘍や結腸がんといった深刻な病気の診断を遅らせることになりかねません。また、貧血が鉄分不足によるものでなかった場合、鉄剤を服用しても貧血が楽になることはなく、鉄中毒や鉄過剰症(ヘモクロマトーシスと言います)を引き起こす可能性があります。

おわりに:自分の貧血のタイプに合った適切な治療を!

貧血の原因はさまざまであり、栄養素の欠乏が原因であったり出血や溶血が原因であったりと多岐にわたります。原因によって治療は異なりますが、比較的頻度の高い栄養素の不足による貧血に対する対応をご紹介しました。ただし、適切な治療法は貧血のタイプや重症度によって異なるため、貧血でお悩みの方はまずは病院を受診するところから始めてください。

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