記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
禁煙に何度もトライしてるけどなかなか成功しない...
その様な方は自分の喫煙行動の「きっかけ」を知ることが成功への近道かもしれません。なぜなら、喫煙はニコチン依存だけではなく、習慣も原因の一つだからです。
この記事では喫煙と習慣の関係を解説し、禁煙を成功させるための工夫をご紹介します。
タバコをやめられない大きな理由として、ニコチンにはアルコールや麻薬と同じく高い依存性があることが挙げられます。ただし、やめられない理由には、日常の習慣により獲得された行動も関係しています。
人の行動は「先行刺激(きっかけ)→行動(反応)→強化刺激(結果)」という流れで解釈できるといわれています。これは喫煙行動を考えるうえでも当てはまり、食後のコーヒーやお酒、不安やイライラ、他人が喫煙しているのを見る、などがタバコを吸う先行刺激「きっかけ」となってしまっている側面があると考えられます。
タバコを吸うと長期的には健康への悪影響が生じてしまいますが、短期的には喫煙者の不安やイライラを解消し満足感を与えてくれるという効果もあります。そのため、このような「きっかけ」に対する反応は時間とともに強くなっていくのです。
そのため、禁煙を成功させるためにはニコチン依存症を克服するとともに、習慣も変える必要があります。
まず喫煙につながる「きっかけ」を見つけるところから始めましょう。
禁煙を始める前に、自分がどんなタイミングで喫煙しているかを記録しましょう。ノートやスマートフォンを持ち歩き、以下のことを記録しましょう。
・喫煙する時間帯
・欲求のレベル(そのとき吸いたい気持ちを1~5で評価してみましょう)
・直前にしていた行動
・場所
・一緒にいる人
・感情(イライラや不安、退屈、楽しいなど)
禁煙をするときは、この記録をもとに喫煙の「きっかけ」となっている時間、行動、場所、人物を避けるようにしましょう。例えば、食後のコーヒーが喫煙前の習慣になっているのであれば、食後は緑茶に変えたり、散歩に出かけたりするようにしてみてはいかがでしょうか。喫煙する友人といつもタバコを吸っているのであれば、禁煙を始めたことを伝え喫煙しない友人と一緒に過ごす時間を増やすなどの工夫をしましょう。
ただし、すべての「きっかけ」を避けることはできないので、その様な「きっかけ」に直面した場合に「喫煙しないような対策」を講じることも必要です。
例えば、タバコの代わりにガムや飴などの口に入れるものを持ち歩いたり、イライラしたり落ち着かなくなったりしたら音楽を聴くなどの対策が考えられます。自分なりの対策を考えて実践してみましょう。
タバコがやめられない原因は、ニコチンを渇望する体の欲求だけではなく、喫煙が日々の習慣として身についてしまっていることも原因と考えられます。人それぞれ食後や休憩時間、飲酒時など、タバコを吸ってしまう「きっかけ」があるのではないでしょうか。禁煙するときはその様な習慣を変えることが大切です。そのため、まずは自分が喫煙してしまう「きっかけ」を知り、その「きっかけ」を避ける、もしくはその内容を変えることで習慣を変えていきながら禁煙に取り組んでいきましょう。