自然って怖い!?海のリスクを理解して安全に楽しむ方法について

2017/6/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

毎年海難事故で命を落としてしまうケースも多く、自然の怖さやマリンレジャーのリスクがうかがえます。せっかくの楽しみを台無しにしてしまわないためにも、この記事を参考にして、安全にマリンレジャーを楽しむ方法を学びましょう。

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海のリスクを知っておきましょう

海難事故で救助される人の多くは子供たちですが、年齢に関係なく全ての人にリスクはあります。事故の中でもとくに多いといわれているのは、離岸流に巻き込まれて遠くへ流されてしまうケースです。 離岸流とは、波打ち際から沖に向かっていく流れのことをいいます。砂が海底から巻き上げられ茶色く変色しているときや、波が一部分だけ砕けないで両側が白くなっていたり、泡やごみが沖に向かっているなどの特徴が見られたときは、離岸流の可能性があるので注意しましょう。

万が一巻き込まれてしまったときは、決して あわてないことが重要です。 また、たとえ泳ぎが得意であっても、ビーチに対して歩いて平行に移動するようにしましょう。離岸流に逆って泳ぐことは、成績優秀な水泳選手でも困難だといわれています。自力で脱出が不可能なときは、すぐに手を挙げて助けを求めてください。

潮は驚くほど急に変わっていくこともあります。ビーチから潮の様子を注意深く観察しましょう。特に岩場で遊んでいる場合は注意してください。満潮で身動きが取れなくなってしまうことがあります。不慣れな場所での飛び込みもやめましょう。水深が急に変わって大怪我をしてしまったり、急な引き波に巻き込まれてしまうリスクがあります。そして、小さな子供がいるときは絶対に目を離さないようにしましょう。

あらためて基本的なルールを徹底しましょう

当日の天気や潮の動きなど情報を事前に集めるようにしましょう。ビーチでは、施設の入り口や建物内などに掲示されているものをよく確認し、必ず施設のルールを守ってください。子供からは目を離さないようにして、万一はぐれてしまった場合に備えて待ち合わせ場所を決めておくようにしましょう。ひどく当たり前のことかもしれませんが、お酒を飲むと身体の感覚は確実に鈍ります。飲酒後の遊泳は厳禁です。

遊泳はライフセーバーの監視が行き届く範囲で

万が一の場合にも、ライフセーバーの監視が行き届く範囲であれば、救助してもらえる可能性は高くなりますし、救助後の応急処置により重症化のリスクも減らせます。ただし、ライフセーバーが見守っているから絶対に安全ということではありません。離岸流などは、潮汐以外でも気象条件によって急激に変化することがあります。ライフセーバーが旗を動かして遊泳エリアを変更したときは、自分がいる場所が安全なエリアかどうかすぐに確認しましょう。

旗の意味を知る

ライフセーバーが巡回するビーチでは、遊泳に適したエリアやウォータースポーツ用に指定されたエリアなど、旗を使って区域が区切られています。この旗の意味は国際的に共通していて、赤と黄の旗があるエリアが、ライフセーバーによってパトロールされているエリアになります。遊泳は必ずこのエリア内で行いましょう。

白と黒のチェックの旗で区切られたエリアはサーフィンなどのウォータースポーツのためのエリアで、オレンジ色の吹流しは、沖合に風があることを意味します。強風で流されてしまうおそれがあるので、吹流しを見つけたら浮き輪類を使わないようにしましょう。 また、赤い旗は立ち入り禁止のエリアにあるので、絶対に入らないでください。

おわりに:自然の怖さを理解し、事故のリスクは常に頭の片隅に

ここまで述べたもの以外にも、熱中症や水分不足による脱水、クラゲなどの毒を持つ生物にも注意しましょう。どれもメディアなどで紹介されているので知っている人も多いと思いますが、知っている「つもり」が一番危険です。海や山など自然の中で遊ぶときには、ごく当たり前のルールを守ることが重要であり、少しでもおろそかにしてしまうと致命的な事故にもなりかねません。レジャーを楽しむためにも、事故のリスクは常に留意しておくようにしてください。

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