難聴とはどんな病気? 兆候と予防、対策について

2017/8/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

前回の記事では、耳の疾患で多い難聴について原因と治療をまとめてみました。

今回の記事では、難聴の予防の対策や、難聴の症状を軽減する機器について詳しくみていきましょう。

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難聴の予防方法とは?

難聴を起こす原因となる病気がある場合には、難聴の発症を防ぐことは難しいことかもしれません。

しかし、大きな音に長期間さらされたことで起こる難聴のリスクを下げる方法はいくつかあります

家では音楽やテレビの音量を大音量にしないようにし、大きな音のでる音楽イベントや騒音が多い職場環境であれば、防音保護具を使ってみましょう。

インフルエンザのような発熱、倦怠感、関節痛のような症状、あるいはひどい耳の痛み、膿が出ているなどの耳の感染症の兆候がある場合は、医師の診察を受けましょう。

難聴の人に役立つ機器とは?

補聴器は、電子機器であり、バッテリーで駆動します。耳に入ってくる音を増幅して聴力を補います。補聴器には様々な種類があります。補聴器を買う前に、自分の症状に合っていることを確認するため、試用できるように頼んでみましょう。

また、補聴器は耳に快適にフィットしていなくてはならず、予備が必要で、定期的に電池を交換する必要があります。

補助器具

たとえば、次に挙げる補助器具を使うと、難聴の人の生活に役立つでしょう。

玄関のチャイム、煙探知機、目覚まし時計と連動して、警告システムが作動し、視覚信号やバイブレーションで通知をしてくれるシステムがあります。例えば、玄関に誰かが来たときや電話が鳴っているときに、警告ランプが点灯して知らせてくれるように設定しておけば、難聴になっても来客や電話に気付くことができるでしょう。

また、電話機に増幅器をつければ、電話の使用が楽になります。

人工内耳

人工内耳は重度の難聴の人のための電子機器です。すべての種類の難聴に適しているというわけではありません。

聴力を回復させるために役立つ機器

アナログ補聴器は、特定の音を大きくし、そして他の音を小さくすることができるため、人の会話についていきやすくなります。

デジタル補聴器は、どの音を大きくし、どの音を小さくするかを選ぶことが可能で、周囲の騒音をコントロールすることにより、人の会話が聞こえやすくなります。

補聴器の中に取り付けられた磁気コイルであるテレコイルは、電話での会話や特別なサウンド・システムのビル内にいる間の聴力向上に役立ちます。

磁気誘導ループシステムは、テレコイル付きの補聴器や人工内耳を使っている際に作動するものです。公会堂、映画館、教会、ホール、会議室などの、マイクを使用する公共の場所で、このシステムが使えるかどうか確認してみましょう。

難聴の人のコミュニケーションは?

難聴がある場合は、コミュニケーションをとるときに、どうしたらよいでしょうか?

まずは、聴力に問題があることを周囲の人に知らせ、自分に向かって話すときはゆっくり、はっきりと、大きな声で話すようにお願いしましょう。
また、顔の表情やジェスチャーにも注意して話を聞くようにすることも大切です。
相手の言っていることがわからない場合、遠慮せず、もう一度言ってもらうように頼みましょう。

おわりに:難聴の補助器具について知っておきましょう

難聴になると、特に人との会話が難しくなります。記事の中にもあるように、周囲の人に知らせ、協力してもらいましょう。そして補助器具を使って、日常生活を少しでも楽に過ごせるようにしましょう。

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