記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
突然グルグル廻るようなめまいに襲われたら、もしかするとメニエール病かもしれません。メニエール病は、命に危険を及ぼすことはないですが、症状が頻繁に続くようであれば、日常生活に支障をきたす可能性もあります。今回は、メニエール病について解説します。
メニエール病は、内耳の問題により発症するされている病気です。 原因ははっきりとわかっていませんが、内耳のリンパ液の蓄積(内リンパ水腫)に関連していると考えられています。
メニエール病の特徴は「難聴、耳鳴り、耳が詰まる感じなどの聴覚症状を伴うめまい発作を反復する」ことです。重要なのは「反復する」という点で、めまい発作や難聴発作が1回起きただけではメニエール病とは診断できません。この基準を満たし、他の病気を除外できたものをメニエール病と診断します。
メニエール病の発作は頻繁に起こり、20分から2時間以上続くことがあります。
メニエール病は、通常、片側の耳に発生しますが、まれに両耳に症状が現れることもあります。
メニエール病の発作の症状は以下のとおりです。
・めまい
・耳鳴り
・耳の詰まった感じ
グルグル廻っているように感じる「回転性のめまい」が発生します。 症状が進むと、平衡感覚がうまく働かなくなり、歩行が不安定になる場合もあります。 グルグル回転している感じが続くことで、発汗、吐き気を、嘔吐などの症状が現れる人がいます。 また、低音に対する聴力障害が発生することもあります。
問診では、発作が起こったときの症状の確認が行われます。 また、他の耳の問題を除外するための検査もいくつか行われるでしょう。 代表的な検査として、聴力検査と血液検査、MRIやCTスキャン、またはバランスをチェックする特別な検査や耳の機能検査などが挙げられます。
嘔気が強く、薬を飲む事も出来ない時は安静の上でめまい止めの点滴を行います。
内服が可能であれば、めまい止めや利尿剤を中心に循環改善薬、ビタミン剤などを組み合わせて使用します。
メニエール病にはストレス、睡眠不足、疲労が大きく関与していると考えられており、薬による治療だけでは根本的な治療にはなりません。「薬によって症状を抑える事が出来る」事で少し安心しつつ、ゆっくりとストレスの原因を見つめ直したり、生活習慣を正すことが必要です。
例えば、塩分摂取量を制限して、内耳の液体量を間接的に制御することで症状が抑えられる場合があります。また、カフェインとアルコールの量を制限や禁煙をすることも、メニエール病の症状改善に役立つでしょう。
発作の際には、床などの動かない平らな面に寝そべりましょう。 めまいに対処するには静止した物に目を向け、吐き気を抑えるために食べたり飲んだりするのを中止してください。 症状が消えたら、ゆっくり起きるように気をつけてください。また、 強い眠気を感じることもありますので、発作が起こってから数時間は寝て過ごすことをおすすめします。もし 24時間以上嘔吐が止まない場合は、医師に連絡して薬を処方してもらいましょう。
ストレスは攻撃を引き起こす可能性があるため、生活面でのストレスを避ける方法や、効果的なストレス解消方法を見つけるようにしてください。 家族、友人、同僚に病気について知らせ、 発作が起こった場合、どのようにしたら止めることができるか教えておきましょう。 また、メニエール病にかかっている人のためのサポートグループもあるので、利用してみてください。
メニエール病の人は、イライラすることがあります。 発作を抑えるためには、生活のスタイルを変更する必要があります。 普段の食事や、アルコール、カフェイン、喫煙について医師のアドバイスを受けましょう。また、発作中には安静にし、症状が続く場合は、医師に相談するようにしてください。