記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
タバコをいつまでもやめない人に禁煙をすすめても、何かと言い訳をして、なかなかやめない人も多いでしょう。タバコは体に悪影響があり、長期間の喫煙は確実に体を蝕んでいきます。早々に言い訳をやめて、禁煙に取り組むことをおすすめします。
この記事では、タバコをやめない人がようする「禁煙しない言い訳」の代表例を紹介しながら、喫煙することのデメリットと禁煙することのメリットを紹介していきます。
ここでは喫煙者がしばしば口にする言い訳とそれに対するアドバイスをご紹介していきます。
週に数日だけであったり、特定の集まりでしか喫煙しないのであれば、そんなに健康には悪くないと思っていませんか?
当然ながらそんなことはありません。喫煙と健康との関連を研究している専門家は1日に1~4本タバコを吸うだけでも、吸わない人よりも心臓病で死亡するリスクが倍になると指摘しています。
「ライト」と書いてある種類のタバコは確かに、ニコチンやタールの量が他の商品よりも少ないですが、ニコチンを摂取していることには変わりありません。そのため、たとえ「ライト」タイプのタバコであっても吸い続けていれば、確実に健康に影響を与えているのです。
長年タバコを吸っている人の中には、今更やめても手遅れだと思っている人もいるでしょうが、そんなことはありません。今からでもタバコをやめる価値があります。
実際、タバコをやめるとすぐに心拍数と血圧が下がり、肺の機能が改善します。そして1年間禁煙を続けると、心臓病を発症する確率が喫煙者の半分にまで下がるといわれています。
電子タバコは通常のタバコに比べ有害物質の量が少ないといわれています。しかし、一般的な電子タバコはニコチンを含んでいます。通常のタバコに比べてどの程度健康に影響するかは未だ解明されていない部分も多く、一概には言えませんが、吸い続けていれば健康に悪影響があることが予想されます。電子タバコは、無害とは言い切れないでしょう。
定期的な運動やバランスの取れた食事は健康にとって確かに重要です。しかし、定期的な運動や健康的な食事などをどれだけ取り入れていても、喫煙による健康へのダメージを完全にカバーするのは難しいでしょう。
喫煙が与える健康への影響は多岐にわたり、食事や運動だけでどうにかできるものではありません。タバコが健康に与えるダメージを減らしたいなら、タバコをやめるのが一番です。
医師は禁煙に関して一人一人に会った指導をしてくれますし、禁煙のための薬を処方してくれる場合もあります。このような医師のカウンセリングや処方薬は禁煙の成功率を大きく高めてくれるため、禁煙を始めるときはまず医師に相談してみましょう。
宣言をすれば家族や友人は積極的にサポートしてくれるでしょう。タバコを吸いたい欲求に負けそうになっても、彼らがストッパーになってくれるはずです。
はじめから完全にニコチンを絶つことは難しいかもしれません。そのため、タバコを吸いたくなったら、ニコチンパッチやガムを活用しましょう。ニコチンパッチやガムはタバコを毎日1箱吸うためにかかる費用よりも安く済む場合が多いので節約にもつながります。
タバコを吸う量が少なかったり、「ライト」タイプのタバコを吸っていたりしても、健康への影響を避けることはできません。健康のための努力も喫煙してしまうと台無しになってしまいます。そのため、本当に健康のことを考えるなら、禁煙するのが一番です。言い訳する自分に打ち勝ち、禁煙への第一歩を踏み出しましょう。