記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自閉症の症状は様々で、1人として同じ症状はありません。そのため、介護者はどのように介護していけばいいのかを常に考え続ける必要があります。では介護者はどこで一息をつくことができるのでしょうか。がんばりすぎて疲弊してしまう家族・介護者は少なくありません。ここでは自閉症者をお世話する介護者のケアについて解説していきます。
自閉症者の介護は過酷であり、大きな負担がかかることは否めません。自閉症は広範囲の障害であるため、特に重症の自閉症者をかかえる両親や介護者の労力は大変なものになります。 家庭内の行動問題に対処することは非常に難しいことです。介護者は、トイレの世話から自傷行為に至るまで、常に目を離すことができません。
自閉症は「目に見えない障害」です。見た目には普通の人と変わりありません。そのため自宅を出ると、しばしば自閉症の理解がないことに悩まされてしまい、自閉症者だけでなく、介護する人たちも引きこもりがちになってしまうことがあります。
介護によって家族が疲弊してしまう前に、ぜひサポートを求めてください。介護疲れによるストレスは、心身を確実に疲弊させてしまいます。いちどは医師に診断してもらったほうがよいでしょう。身近に自閉症者のケアを専門とする支援施設がないか探してみてください。また、障害の程度などに応じて公的な給付金を受給することもできます。手続きや資格は自治体によって異なりますので、詳しくは住んでいる自治体の福祉課に問い合わせてみてください。
家族や介護者でなければ気持ちを察してあげられないといって、がんばり過ぎてもいいことはありません。ときには休むこともたいせつです。心と身体をリフレッシュすることで、また前向きな気持ちで自閉症者と接することができるでしょう。
また、家族や親戚などに少しだけ介護を交代してもらえないかを検討してみてはいかがでしょうか。これまで他人にお世話をお願いしたことがないのであれば、頼むのが難しいと思ってしまうかもしれませんが、自閉症についてより理解をしてもらうためのチャンスと考えてください。自治体が提供している福祉サービスや専門の支援施設によるサポートも活用するようにしましょう。
自分では精一杯がんばっているつもりでも、その気持ちがいつの間にか空回りしてしまっていませんか。積もり積もったストレスのせいで心がいらだってはいないでしょうか。長く介護を続けるためには、積極的な休養を欠かしてはなりません。また、介護者の多くはこのような悩みを人知れずかかえています。介護者たちによる団体などもあるので、思いを打ち明けあうのもよいでしょう。1人でがんばりすぎないように心がけ、適度に休んでくださいね。