記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
家庭内暴力すなわちドメスティック・バイオレンス(DV)は、パートナー関係や家族の間で行われる身体的、精神的、性的虐待を言います。DVは極めて一般的なもので、ライフスタイルにかかわらず誰もが経験する可能性があります。どのような行為がDVにあたるのか、兆候を認識する判断基準を知っておきましょう。
パートナーの自分に対する言動や、パートナーへの感情のなかに、下記に挙げるものが1つでも当てはまるのであれば、DVの可能性があります。
・友人や家族に会うのを妨げられる
・通学を続けること、始めること、または仕事に行くことを妨げられる
・常に監視していたり、後をつけられる
・浮気をしているとして、一方的に非難する
・相手を見下し、他人の前でも非難や侮辱を隠さない
・パートナーに常に恐怖を感じている
・パートナーの行為・言動を恐れて、自分の行動を変えたことがある
・所有物を故意に破壊される
・自分や子供を傷つけたり、脅したりする
・生活費を渡さない
・性交渉を強制する
DVに遭っていることには、自分で気づけないことが多いと報告されています。これらのケースに少しでも心当たりがあれば、第三者に相談するようにしましょう。
もしDVを経験しているのであれば、誰かに相談し、自分は一人ぼっちではない、ということを覚えておくことが大切です。警察や自治体、民間のシェルターなど、DVの被害者を支援する組織は数多くあります。
他の人に助けを求めることは難しいかもしれません。特に男性は自分が被害者であることを明かしたがらない傾向があり、「自分の言うことを信じてもらえないのではないか」という心配を抱えてしまうことも多いようです。DVは、その被害者が男性であれ女性であれ非常に深刻な問題であり、第三者に相談することが極めて重要です。我慢しなければならない、なんて絶対に思わないでください。
自分のDV被害が明らかになったら、周囲に相談するのと同時に、被害を受けている証拠を集めるようにしましょう。傷や打撲の写真を撮っておくことや、DVについて医師に報告したことなど、実際に体験したことを記録することで、DVの経過を示すことができるようにしてください。
また、暴力に対して立ち向かうようなことは絶対にしないでください。かえって暴力がエスカレートしてしまいます。そればかりか、警察にあらぬ疑いをかけられてしまう可能性があります。
DVから脱出する第一歩は、DVは自分の責任ではない、ということを理解することです。暴力はどんな事情があろうとも許されるものではありません。加害者から離れる前に、専門機関のカウンセリングを受けてみるとよいでしょう。
自分がDVに遭っていると気づいたら、とにかく周囲の助けを求めてください。専門の受入機関であれば、匿名は守られます。家族や知人に相談をするときは、加害者に自分の動向が漏れないように慎重に行動しましょう。男性や性的少数者に特化した支援機関もあるので、自身の状況を踏まえて適した機関を見つけてください。