障がいがある人向けの筋力トレーニング

2017/3/14 記事改定日: 2019/2/14
記事改定回数:2回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

なんらかの理由で車椅子生活を送っていても、心拍数を上昇させ汗をかく有酸素運動と筋力を強化し活動的であることは、健康上の理由だけでなく日常生活にも役立ちます。この記事では、車椅子の方が取り組むとよい運動について解説します。

なぜトレーニングが必要なのでしょうか?

定期的なトレーニングは肉体的にも精神的にも良いものですし、新しい自分を発見する上で最適な方法です。しかし、車椅子を使用している方にとって、運動することは難しいと思うかもしれません。

しかし、車椅子を動かすには上半身の筋肉を使います。筋力トレーニングをすることで、日常生活での車椅子の操作はもちろん、ケガを防ぐ上でも役立ちます

どのようなトレーニングをするべきでしょうか?

トレーニングの目的は一人ひとり異なります。障がい者にとっての筋力トレーニングは、日常生活に役立つ身体機能の改善がの方もいれば、健康状態を改善することが目的の方もいます。あるいは、スポーツへの参加が目的かもしれません。以下では、身体能力のレベルや自信のあるなしにかかわらず、健康状態を改善するためにできるトレーニングを以下にご紹介します。

有酸素運動

有酸素運動の目的は、心拍数を上げ、汗をかくくらい体を温めることです。少し息が切れる程度、運動しながら会話はできる程度が目安です。まったく運動したことがない、もしくはしばらく運動していないときは、10分間のトレーニングから始めて徐々に20分間にすることを目指してください。

有酸素運動には以下のようなものがあります。

  • 水泳
  • ハンドエルゴメーター
  • 車いすマラソン
  • バスケットボール、ネットボール、バドミントンなどの車椅子スポーツ

筋力トレーニング

筋力トレーニングについては、心にとどめておいてほしいことがあります。

車椅子を操作するときには、前方向に車椅子の車輪を動かす動作(手で押す動作)を繰り返すことで、胸部および肩の筋肉が張ってケガしやすくなります。

一方、この動作に関与していない背中の筋肉は、使われずに弱くなる可能性があります。このため、広背筋など、手を引く動作に関連した筋肉のトレーニングを重点的に行うことをお勧めします。これはケガを防ぐのに役立ちます。

懸垂(けんすい)などの引っ張る動作を伴うトレーニングをすると、背筋(はいきん)を強化することもできます。車椅子の人にも優しい設備を備えたジムや体育館もあるので、このような場所に行けば筋肉トレーニングを行うのに最適な場所です。また、自宅で自重やエクササイズバンドを使っての筋力強化運動をするのもおすすめです。

おわりに:ケガを防いで快適に過ごすうえで筋力トレーニングはおすすめ

好みや身体能力のレベルにかかわらず、できる活動やスポーツがあります。 競技スポーツは素晴らしい選択肢ですが、すべての障がい者が参加できるとは限りません。身体活動にはいろいろな形がありますし、トレーニングできる場所もたくさんあります。車椅子生活を愉しく過ごすためにも、無理のない範囲で筋力トレーニングを取り入れてみてください。

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