記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
小さな子供の肌は滑らかで柔らかく、とてもデリケートです。ちょっとした刺激にも敏感に反応して、しばしば湿疹ができてしまいます。適切なケアさえ行えば跡も残りませんが、掻きすぎると感染症の危険もあります。ここでは、かゆみを止めるための子供との日常生活における見直し方を紹介していきます。
湿疹を見つけたら親が市販の薬だけで治そうとせず、かかりつけの病院を受診した方がいいかもしれません。症状によって必要な治療は異なり、専門の皮膚科を紹介されるかもしれません。皮膚が赤くなって液体が染み出てきているときは、感染症の可能性があります。
湿疹ができた子供は、睡眠に支障をきたすことがあります。夜は肌が熱くなってかゆみが強くなってしまうためです。寝室は涼しくし、綿のシーツや軽い天然繊維の布団を使用しましょう。保湿クリームを十分に浸透させるため、少なくとも寝る20分以上前に塗るようにしてください。ペットが湿疹を悪化させることもありますので、ふれさせないようにしましょう。
日ごろ使っている石けんやシャンプーを見直してみましょう。デリケートな子供の肌体質になじまず、湿疹を引き起こし、悪化させていることがあります。どのような製品を選ぶべきかは、医師や薬剤師に相談しましょう。
乾燥した皮膚は、細菌やウイルスに感染しやすくなります。湿疹の影響を受けた皮膚ができるだけ柔らかくて潤いのある状態に保たれるように、かかりつけ医の指示に従って保湿クリームを使用してください。皮膚を乾燥させるきつい石鹸を使わないようにすることも役に立ちます。
強く掻きすぎてしまうと湿疹から出血を起こし、そこから感染症を引き起こす恐れがあります。 かゆいからといって、掻きむしることはよくないことだとしっかりと教えてください。子供の爪はいつも短くしておきましょう。 包帯やガーゼで湿疹を覆っておくと、掻いても皮膚を傷つけてしまう心配がありません。
湿疹は、生後6か月以降の子供にみられることが多いです。中には、牛乳、卵、柑橘類の果物、チョコレート、ピーナッツなどの食品が原因で起こる場合があります。医師に相談の上、栄養バランスに配慮した献立を考えましょう。
かゆみは熱さによって増します。子どもが走り回ったりして遊んだ後は、ゆったりした衣服を着せ、できるだけ涼しくいられるようにしてください。 プールで泳いだらしっかりとシャワーで洗いましょう。塩素は皮膚を刺激します。
湿疹の原因は、あせもであったり虫刺されによるものであったり、さまざま考えられます。場合によっては特定の医薬品を必要とすることもあります。そして、治療としてはアトピー性皮膚炎などの免疫系の病気であれば免疫反応やアレルギー反応を抑える薬剤が必要ですが、感染症であればこれらはむしろ逆効果となります。ですから的確な診断の上で薬を用いる必要があります。親としてできることは、まずは掻かせないようにすること、そして医師の診断を仰いで、適切な治療のアドバイスをもらってください。