肩こりや背中の痛みには、アレクサンダーテクニークが効く？

アレクサンダーテクニークとは？

アレクサンダーテクニークのレッスンでは、もっと自分の身体のことを理解し、姿勢の悪さを改善してより効率的に動く方法を教わります。

これが身体の緊張を取り除き、背中の痛み、首の痛み、肩の痛み、他の筋骨格の問題などを軽減する役目を果たすと考えられています。

主な原則

アレクサンダーテクニークの主な原則は次のとおりです。

　・動き方、座り方、立ち方は、スムーズな動作に影響する
　・頭、首、背骨の関係は、正しく動くための基礎となる
　・日常の活動の仕方にもっと気を配ることで、メリットを得る
　・心と身体は密接に一体となって働き、双方で影響しあう

アレクサンダーテクニークは、腰痛やその他の慢性的な痛みのような症状は、非効率的に動いたり、正しい姿勢で立ったり座ったりしないなど、長期間にわたって身体の使い方を間違った結果であることが多いという考え方になります。 

アレクサンダーテクニークの目的は、これらの悪い習慣をやめさせ、バランスの取れた自然な身体にすることです。

アレクサンダーテクニークの効果

アレクサンダーテクニークは、幅広い健康状態の人に役立つものとして科学的根拠が示されているものもありますが、一部はまだ正式に検査されていません。

アレクサンダーテクニークは以下のような人に役立つという説があります。

　・慢性的な背中の痛み
　　レッスンによって、背中の痛みに伴う障害を軽くし、最大で1年以上にわたって痛みを感じる頻度を減らすことができます。

　・慢性的な首の痛み
　　レッスンによって、最大で1年以上にわたって頸部の痛みや関連する障害を軽減することができます。

　・パーキンソン病
　　レッスンは、身体を動きやすくし、気分を向上させるのに役立ちます。

これらの症状があり、アレクサンダーテクニークを試すことを検討している場合は、かかりつけ医に相談して、自分に適しているかどうかを確認してみてください。

アレクサンダーテクニークが、慢性的な痛みや吃音を改善し、高齢者が転倒を防ぐためのバランス感覚を鍛えるのに役立つ可能性があるという研究結果もありますが、これらの分野の証拠は限られており、今後も研究が必要です。 

アレクサンダーテクニークが、喘息、頭痛、変形性関節症、不眠症、ストレスなどの他の健康状態の改善に役立つという根拠は現在のところほとんどありません。

アレクサンダーテクニークのリスク

ほとんどの人にとって、アレクサンダーテクニークのレッスンは安全で、危険性はありません。マニピュレーションは行われず、優しく触れるだけです。

ただし、次のような症状がある人には適していない可能性があります。

　・脊髄損傷
　・椎間板ヘルニアが原因の重度の痛み
　・重度の脊柱管狭窄症
　・脊椎骨折

このような場合は、専門の医療が必要になります。 

アレクサンダーテクニークの教師の多くは医療専門家ではありません。医療専門家のように診断したり、アドバイスをしたり、治療したりすることはありません。

アレクサンダーテクニークを学ぶには？

アレクサンダーテクニークは、資格を持つ教師にマンツーマンで教わります。 

レッスンは、スタジオ、クリニック、または教師の家で行われることが多く、通常は30～45分です。動きやすいように、ゆったりした服で行います。
教師は動きを観察し、よりバランス良く負荷のかからない動き方、座り方、立ち方、寝方を教えます。教師は手を使って、動きをガイドし、頭と首と背中の位置を正し、筋肉の緊張を解放させます。 

アレクサンダーテクニークの基本的な概念を学ぶには、多くのレッスンに参加する必要があります。

アレクサンダーテクニークでは、レッスンを開始してすぐに痛みの改善が見られるとも言われますが、レッスンで学んだことを日常で実践しなければならないため、十分な効果が出るにはかなりの時間がかかることもあります。 

目的は、関連する主な原則を理解し、日常生活で使えるようにすることです。頻繁にレッスンを受けなくても、アレクサンダーテクニークの効果を得られるようになります。試してみたいと思っている人は、経験豊富な教師を選ぶことが重要です。

おわりに：正しい動作や姿勢を身につけて健康に

ここで見てきたように、アレクサンダーテクニークの効果について、科学的にはっきりと証明されたものは、多くはありません。

ですが、自分の姿勢や動作を改善することができるので、長い目で見れば、健康な身体作りに効果があるのではないでしょうか？

少しでも興味をもったという方は、試しにレッスンを受けてみましょう。