記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
寝不足や風邪、二日酔い、ストレス・・・それ以外にも頭痛の原因は幅広く存在します。その中でも、今回は女性特有のホルモン量の変化による頭痛について見ていきましょう。
女性は月経、妊娠、および閉経期間中にホルモンの数値が変わるため、それによって頭痛が引き起こされます。また、経口避妊薬によるホルモンの変化も頭痛のきっかけとなることが多いです。
研究によると、毎月最低でも500万人の女性たちがホルモンに関係した頭痛を経験しているということもわかっています。
ホルモン性の頭痛は生理の2日前、あるいは生理が始まってから3日目に最も起こりやすくなっています。これは、この時期にエストロゲン値が自然と下がってしまうことが原因です。この頭痛は生理中以外のときに起こる頭痛よりも症状が重いことが多いですが、翌日には回復しやすいという特徴があります。
生理の周期に合わせて片頭痛がある女性の治療法として、以下の方法が効果的です。
・ホルモン療法を行う
・暗く静かな部屋でリラックスする
・運動する
・リラクゼーションやバイオフィードバックなどを含むストレス管理を行う
更年期が近づいた女性に起こるホルモンの変化により、偏頭痛を含むあらゆるタイプの頭痛が起きやすくなります。ホルモン補充療法(HRT)は通常ホットフラッシュや発汗を治療するのに使われますが、偏頭痛を抱えている場合にはパッチやゲルを使って投与するのが最も良い方法と言えるでしょう。錠剤のものよりホルモン値が安定することで、偏頭痛が起こりにくくなるからです。
正常な月経周期がある場合、予定されている生理期間の前と生理中の数日間に余分にエストロゲンをとることで月経時偏頭痛が和らぐケースもあります。この治療を行う場合、医師は肌に塗りこむゲルや肌に貼り付けるパッチなどの形でエストロゲンサプリメントを処方しなければなりません。
医師は抗偏頭痛薬を処方することもできます。この薬はホルモンを含んでいませんが、頭痛を抑える役割を果たします。主な抗偏頭痛薬にはトリプタンと呼ばれる錠剤やメフェナム酸と呼ばれる鎮痛薬などがあり、主に月経を迎える周辺で服用することが多いです。
普段から利用している避妊薬を服用していない時期に頭痛が起こる場合、いくらかの用量を止める、あるいは避妊薬を継続的に服用することでエストロゲン値の急低下を防げる可能性があります。反対に、服用している避妊薬が偏頭痛の原因になっていると考えられる場合はすぐに医師に相談しましょう。
これらの方法に加え、日頃の生活では少量の間食を頻繁にとって血糖値を高く保つこと、規則的な睡眠パターンを作り睡眠の取りすぎや寝不足を防ぐこと、できるだけストレスを回避することも頭痛予防に効果的です。
自分の偏頭痛が月経と関係しているかをチェックしたければ、最低3回分の月経期間の記録をしておくと良いでしょう。そうすれば、自分の周期の中のどの時点で偏頭痛が起こったのか、どのような症状が見られたのかなどがわかり、生理周期と頭痛の関係性を確定しやすくなります。また、頭痛が起こりやすいパターンがわかっていれば対処もしやすくなります。薬やホルモン投与、あるいはリラクゼーションなどを活用しながらホルモン性頭痛の症状を改善していきましょう。